途切れた交流が復活 地域づくりネットワーク登録団体が下久堅を視察【長野県飯田市】
長野県飯田下伊那地域で地域づくりに励む7団体でつくる「地域づくりネットワーク長野県協議会南信州支部」(事務局・南信州地域振興局リニア活用・企画振興課)は7日、現地視察を飯田市下久堅の柿野沢区民センターで開いた。5団体の代表者やメンバー、視察を受け入れた下久堅の住民ら25人が五平餅作りや施設見学、意見交換を通して相互理解を図った。 南信州支部は1994年の発足以来、研修会を開いてきた。交流が途切れたコロナ禍を経て、視察形式の集いを初めて企画。ひさかた風土舎(上久堅)と農事組合法人増野(松川町)、まつり創造集団結衆大地(高森町)、大鹿村の多田聡さんが、柿野沢農家組合(下久堅)の活動に触れた。 参加者は、賃餅の加工と販売を手掛ける柿野沢餅加工部会、子どもなどの体験学習を受け入れている柿野沢生産者組合が利用している区民センター内の餅加工用の作業室と農産物加工室を見学し、五平餅作りも体験。餅の加工見学では「見ているだけでも面白い」という声が聞かれた。 昼食時には五平餅とつき立ての餅で作ったぼたもちなどを食べながら親睦を深め、後半は2020年に発足した地元グループ「竹活用プロジェクトCHIKURIN」代表の宮内雅さん(67)から活動状況を聞いたほか、和風に味付けした孟宗竹のメンマを試食した。 柿野沢を代表して宮内幸男区長(70)は歓迎あいさつで「人口減少が進む中、新しい仲間を加えて活動を続けよう」と呼び掛け、昼食交流会では互いの活動内容のほか、地元の食文化、リニア中央新幹線と三遠南信道がもたらす変化などについて語り合った。 まつり創造集団結衆大地の佐々木清さん(70)は「民俗芸能の団体との交流はあるが、こうした交流の機会はなかなかない。地元の食文化に対する興味が増した」、他団体からは「70戸の集落でこれだけのことができるのはすごい」といった感想が聞かれた。