6速3000rpmで120km/h「かっこよくて快適な今っぽい旧車」というコンセプト|フェアレディZ + L28型改3.1リットル
1台のZとの運命的な出合いを経て、頭に思い浮かべていたアイデアが開花! 理想的なワイドボディー&深リムスタイルを具現化するため、自らホイールをデザイン。 先端技術のドライカーボンまでも導入し、かつてないオリジナリティーを表現した。どうしてもかなえたかったオーナーの思いは、今ここに結実したのである。 【画像32枚】トランクには安全タンクが内蔵されているように見えて、じつはこれがダミー。配管や給油口をカーボンパネルに取り付けて、遊び心を表現した。リアタワーバーを装着して、サスペンションの取付剛性を向上 【魔性の魅力! チューンドS30Z フェアレディZ + L28型改3.0リットル】 足まわりには、街乗りでの実用性を考慮して、ロベルタ製のエアカップも装着。センターコンソールに設置したスイッチを操作すると、車高を最大で約50㎜まで高めることが可能となっている。実際、撮影当日はコンビニの駐車場で待ち合わせしたのだが、ご覧の通りのシャコタン仕様にも関わらず、出入り口の段差を苦もなく乗り越えていた。 ブレーキはイギリスのハイスペックというメーカーの前後ディスクブレーキを採用。ローター径は前後ともφ300㎜という、文字通りハイスペックな仕様だ。 もちろん水上自動車でフル公認を取得している。 街乗りのことを考えた快適性や実用性の点においては、ビンテージエアのエアコンや電動モーターを使用したパワステも採用。 オーナーが構想した「かっこよくて快適な今っぽい旧車」というコンセプトを体現した。 エンジンはL28型をベースに排気量を3.0ℓまでアップし、燃焼室やポートの加工も施したファインチューンユニットを搭載。 トランスミッションをニスモ製6速MTに換装し、ファイナル4.1のR200デフと組み合わせる。 6速3000rpmで120㎞/hまで出せるため、高速でも快適な走りを堪能できる状態となっている。 「子供を乗せて出かけることもあるので、エアコンなしはちょっと厳しいですよね(笑)。カッコよくて、なおかつ我慢することなく乗れるというのがテーマなので、現状の仕様にはとても満足しています。いろいろなアイデアを根気よく具現化してくれた水上自動車さんに感謝しています」 と語るオーナー。自分でデザインしたオリジナルホイールを愛車に履かせるなど、ある意味でクルマいじりを趣味とする人にとって究極ともいえるカスタムを実現し、満足気な笑顔を浮かべていた。 主要諸元 SPECIFICATIONS 1977年式 フェアレディZ(S31) ■エクステリア:パンデム製ワイドボディーキット、スピードフォルム製リアスポイラー、ドライカーボンボンネット/ルーフ/リアゲート/リアガーニッシュ、アクリルガラス ■エンジン:L28型改3.0リットル仕様(ボアφ89.5mm×ストローク79mm、排気量2980cc、圧縮比11.8)、水上自動車工業製カム(75度、リフト9.2mm)、ASW製バルブ(INφ46mm、EXφ36.5mm)/鍛造φ89.5mmピストン/H断面コンロッド、L28型用改クランク、燃焼室加工、オプションポート ■吸排気系:ソレックス50PHH、水上自動車工業製φ45mm等長タコ足/φ80mmマフラー(テールφ90mm) ■点火系:亀有製レース用デスビ、MSD製6AL ■冷却系:ラジエーター3層加工、25段オイルクーラー(Vマウント) ■駆動系:OS技研製スーパーシングルクラッチ、ニスモ製6速/LSD(ファイナル4.1) ■サスペンション:アラゴスタ製車高調 (F)8kg/mm(R)6kg/mm、アリゾナZ製アーム/ロッド/ブッシュ ■ブレーキ:ハイスペック製(F)4ポットキャリパー+φ300mmローター (R)2ポットキャリパー+φ300mmローター ■タイヤ:ヨコハマ アドバンネオバAD08R(F)225/45R16 (R)245/45R17 ■ホイール:ZERO4ワンオフ削り出しホイール (F)16×10 (R)17×12J ■インテリア:FRP製ダッシュボード、アルミロールケージ、MOMO製ステアリング、ワークスベル製ラフィックス、タカタ製4点式ハーネス、スタック製メーター(燃料、スピード、空撚比、タコ、油温、油圧、水温、燃圧)、DENON製オーディオ、ヴィンテージエア製エアコンキット 初出:ノスタルジックスピード vol.023 2020年2月号 (記事中の内容は掲載当時のものを主とし、一部加筆したものです)
Nosweb 編集部