センバツ2023 1回戦 高知、声援力に逆転勝ち 2年連続で1回戦突破 /高知
18日に開幕した第95回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高野連主催)は雨の影響で開会式が予定より1時間半遅れて始まり、英明(香川)、高松商(同)、城東(徳島)、高知(高知)の各ナインはあこがれの舞台で力強く入場行進した。この日の第2試合には四国勢の先陣を切って高知が登場。4-1で北陸(福井)に逆転勝ちし、2年連続で1回戦を突破した。2回戦は大会第6日の第3試合で、履正社(大阪)と対戦する。【山口敬人、野原寛史】 高知の主将・西村侑が「自分たちの野球ができた」と振り返ったように、守りからリズムをつくる“学園らしさ”満点の試合運びだった。 初回に先制を許したものの、なお2死満塁のピンチを2年生の先発・辻井がしのぐ。すると直後の二回、その辻井が「(失点を)取り返そうという気持ちでしっかり打てた」と左越えの2点三塁打。あっという間に試合を引っ繰り返した。 捕手の高木が二回と三回に相手の二盗を阻止するなど好守備を見せれば、バックも無失策。乗せられるように辻井は尻上がりに調子を上げていった。 アルプス席も選手を後押しした。チームカラーのえんじ色の鳴子やスティックバルーンが鳴り響く。声出し応援が解禁となり、大きな声援が飛び、歓声も上がる。野球部保護者会の井上聡会長(47)は「もちろん勝ってほしいけど、みんなが最高の舞台を楽しんでほしい」と、グラウンドと応援席が一体となった様子に目を細めた。 六回には門野が左翼左に運ぶ中押し打、八回には高木が中前にだめ押し打を放つなど着実に加点して、最後は得意の継投。2年生右腕の平がしっかり締めて、見事に勝ちきった。 次戦は強敵・履正社。守りの要の高木は「強いことは分かっている。相手の嫌がるところを突いて勝機を見いだしたい」と気合を入れ直した。 ◇元主砲が復調 ○…六回、貴重な追加点となる適時打を放った高知の門野(3年)は、二塁ベース上で「その右手」を大きく突き上げた。4番で出場した昨秋の高知県大会決勝で右手首を骨折し、打撃練習を再開したのは2月に入ってから。この日も痛み止めを飲んでのプレーだっただけに、喜びもひとしおだったのだろう。「狙い通りの初球の変化球。2年生が頑張って投げていたのでどうしてもあと1点が欲しかった」。6番に座った元主砲が復調をしっかりアピール。「次の試合でも」と意気込んだ。