お見合いからダンプカーまで、「攻めのDX」広める伝道師
黒川 幸治(くろかわ・こうじ)/1979年2月27日生まれ。2000年、学生時代にIT企業のフィアコミュニケーションズ設立。その後、2005年にフレクトを設立してCEO就任(撮影:尾形文繁)
クラウド基盤を活用し、顧客の新サービスの導入や開発を支援するフレクト(4414)が2021年12月10日、東証マザーズに上場した。一般的には「クラウドインテグレーション」と呼ばれるビジネスを展開している。どういった事業モデルで、どのような成長戦略を描いているのか。創業者である黒川幸治CEOに話を聞いた。――フレクトはどんな会社なのでしょうか? 当社は顧客企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)支援を行う「クラウドインテグレーション」と、SaaS(ソフトウェア・アズ・ア・サービス:いわゆるソフトの定額利用)でトラックや営業車などモビリティ業務を最適化する「Cariot(キャリオット)」という、2つのサービスを手がけている。 事業はクラウドソリューションの単一セグメントだが、ざっと売上高の比率はクラウドインテグレーションが9割、キャリオットが1割だ。 クラウドインテグレーションでは、アメリカのセールスフォースやアマゾン ウェブ サービス(AWS)などグローバルで活躍するプラットフォーマーをパートナーとしている。DXを進めたい企業に対し、パートナーと一緒に営業を行い、「攻めのDX」のためのサービスの企画立案から、デザイン、(複数のクラウドサービスを組み合わせた運用形態である)マルチクラウドの開発、そして運用までワンストップで提供する点に特徴がある。 DXには2種類ある。世間一般でいわれる紙からデジタルへ、アナログ業務をデジタル化するというのはコスト削減が目的の「守りのDX」だ。本来のDXとは、競争力を高め、収益を上げたり、新しい顧客体験など価値を創造したりするための「攻めのDX」であり、企業はこちらへ向かっていかなければならない。 日本企業は、デジタル技術の普及によって自社の競争優位が低下するという懸念を抱いており、「攻めのDX」の必要性を感じている企業は実に9割に達する。しかし、デジタル人材やスキルの不足が課題で、実際にDXに成功した割合はわずか6%にすぎない。 ここに対して当社が専門家として支援することで、成功事例を広げていきたい。
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松浦 大