「台湾LGBT＋　プライド」で虹色の旗を手に行進する参加者＝26日、台北

　【台北・後藤希】LGBTQなど性的少数者の権利向上を目指す「台湾LGBT＋　プライド」のパレードが26日、台湾・台北市であり、虹色の旗や風船を手にした約18万人（主催者発表）が市街地を行進した。台湾で同性婚が法制化されて今年で5年。参加者たちは社会の変化をかみしめながら、残る課題の解決を訴えた。 【動画】台北市政府庁舎前に約18万人が詰めかけた「台湾LGBT+プライド」 　「同性カップルは当たり前の存在になった」と、同性パートナーと参加した男性は実感する。台湾では1990年代から性別平等を求める運動が始まり、2019年にアジアで初めて同性婚が合法化された。台湾行政院（内閣）の今年の調査では、同性婚に賛成する人は7割に増えた。 　桃園市の弁護士、玉吐さん（34）は「同性婚の法制化をきっかけに、ほかの性的少数者への関心も高まった」と感じている。自身は性自認が男女どちらでもない「ノンバイナリー」だ。台湾では女性の敬称は「小姐」、男性は「先生」と区別される。会話の相手に希望する敬称を伝えると、身分証上の性別に関わらず応じてくれるようになったという。 　一方、パレードを主催した「台湾彩虹公民行動協会」は、性別変更手続きに性別適合手術が必要なことや、エイズ患者への偏見など、課題は多く残っていると指摘する。同協会メンバーの戴佑勳さんは「多様性を認識するだけではなく、互いの理解を進め、真の共生社会へ進みたい」と話した。