駐屯地の弁当を水増し発注 幹部自衛官ら起訴内容認める 初公判の詳細 北海道・旭川地裁
北海道・旭川地裁で26日、陸上自衛隊・旭川駐屯地の弁当の発注を巡る詐欺事件の初公判が開かれ、被告の幹部自衛官の男と会社役員の男はともに起訴内容を認めました。 詐欺の罪に問われているのは、陸上自衛隊旭川駐屯地の2等陸尉、目時芳幸被告(55)と旭川市の食品などを販売する加藤商事の役員、宮﨑二維被告(76)です。 起訴状などによりますと、2人は共謀して去年1月、旭川駐屯地で実際に発注した弁当の個数よりも1250個水増しして請求し、駐屯地からおよそ95万円をだまし取った罪に問われています。 26日の初公判で、目時被告と宮崎被告は2人並んで証言台に立ちました。 検察が起訴状を読み上げた後、目時被告は「検事さんが読み上げた内容で間違いありません」、宮﨑被告は「間違いありません」と述べ、2人とも起訴内容を認めました。 一方、弁護側も起訴内容について争わない姿勢を示しました。 検察の冒頭陳述は以下の通りです。 ◆犯行に至る経緯 ・目時被告は2018年8月に旭川駐屯地業務隊糧食班長となる ・目時被告は隊員に給食として支給する弁当納入業者を探していたところ、駐屯地内で売店を経営していた加藤商事に参入を持ちかけ、加藤商事が弁当を納入するようになった ・2021年3月ごろから、新型コロナによる隊員の隔離などで急遽弁当が必要となった際に、目時被告は宮﨑被告に弁当の納入を依頼し、後日、その弁当代金を別の弁当代金に上乗せして支払っていた ◆犯行の状況 ・2022年11月ごろから、目時被告は駐屯地内で必要な備品などを購入する費用を捻出するために、加藤商事が納入する弁当の個数を水増しして発注することを考え、宮﨑被告がこれを了承した ・目時被告は水増し発注で得た金をプールして宮﨑被告に管理させ、この金を駐屯地内で必要な備品の購入や加藤商事と自衛隊の取引で生じた赤字の補填などに充てていた ・2023年1月23日から27日までの間、旭川駐屯地内の一部の食堂の厨房が使用できず、食堂を利用する隊員に支給する弁当を調達する必要があったため、目時被告はプール金を増やしたいなどと考えて弁当1250個の水増し発注を行った ・宮﨑被告は2023年1月26日、商品券15万円分を購入し、目時被告に渡した また、検察は余罪についても5月に追起訴する方針を明らかにしました。 裁判の終了後、弁護側が取材に応じ、「駐屯地内で必要な備品の予算がつかない背景があった」などと話しました。 次回の公判は6月24日に開かれる予定です。