備後庄原駅付近を走行するJR芸備線の車両（広島県庄原市）

　国土交通省は2日、利用が低迷するJR芸備線備後庄原―備中神代間（68・5キロ）の存廃を話し合うための再構築協議会の第1回会合を3月26日に広島市中区で開くと発表した。ローカル線の見直しを進めるために国が昨年10月に導入した再構築協議会が全国で初めて動き出す。 【地図】再構築協議会で存廃を決定する区間 　協議会には沿線自治体から広島、岡山両県と庄原、新見、三次、広島の4市、JR西から広島、岡山両支社、国交省から中国運輸局と中国地方整備局が参加。中国運輸局の益田浩局長を議長に議論を進める。庄原、新見両市の山間部にまたがる備後庄原―備中神代間を鉄道として残すか、バスなどに転換するかを原則3年以内に決定する。 　再構築協議会は、1キロ当たりの1日平均乗客数（輸送密度）が千人を下回るなど早急な改善が必要な路線・区間が対象で、鉄道事業者か沿線自治体の要請に基づいて国が設置する。鉄道として残す場合は駅や線路を改良したり、自治体も費用の一部を負担する事業構造に変えたりして利便性、持続性を高めることが条件となる。いずれの結論になっても鉄道存続やバス転換に必要な事業費を国が支援する。 　備後庄原―備中神代間の輸送密度は2桁台に低迷しており、JR西が昨年10月に協議会の設置を要請。国交省は同区間を含む全区間を対象に設置する方針を決定し、日程調整を進めていた。