「ギスギスした空気」消し飛ぶ最強の会話サイクル 部下の「主体的」な相談を引き出す上司のあり方
(1)「メのみ組織」 「メのみ組織」とは、リーダーが「メッセージ」しか出さない組織である。リーダーは組織の目的をきちんと理解している。だから、その目的を果たすために貢献しないメンバーを見ていると黙っていられない。 しかし「メのみ組織」のリーダーは、「もっと生産性を高めていこう」「今期こそは意識改革していこう」といったスローガンを唱えるだけで、具体的な行動指針を示さない。このため、メンバーは自己の判断で行動するため、当事者の主体性や意識の高さによって、メンバーの動きや成果にばらつきが出てくる。
(2)「ルのみ組織」 「ルのみ組織」とは、組織の目的達成に不可欠な情報共有ルールや仕組みがあるものの、形骸化し、守られていない「空気」が支配する組織である。質問一つで、この実態は浮き彫りになる。 「このケースでは、情報を誰にどう共有するのか決まっていますか?」 「決まってはいます。みんな知ってるとは思いますが……。いや……最近入った新人は知らないかもしれません」 つまり、ルールはあってないようなもの。理由は単に「やらなくても許されるから」である。組織の目標に焦点を合わせている人、つねに組織の成果を出そうとする人にとっては不満である。心の底では「ルールがあるんだから、みんな徹底してほしい」と思っているからだ。
(3)「コのみ組織」 「コのみ組織」とは、コミュニケーションだけある組織だ。時代のキーワードを先取りし、上司と部下との「1on1ミーティング」、組織横断型の「飲みニケーション」「社員旅行」「社内座談会」など社員が仲良くなるような施策を次々と取り入れる。役職や部署という垣根を越えてコミュニケーションが活性化しているので、表面的な「空気」はとても良くなる。 しかし「コのみ組織」の特徴は何らかの要因で業績が良く、恵まれた環境に依存していることである。そのため外部環境が変化し、ひとたび業績が落ちはじめると、組織が空中分解することもある。組織とは名ばかりで、仲良しグループになっていることが多いからである。