ワゴンタイプのデマンドバスの前で、安全祈願の風船を飛ばす事業関係者と溝部保育所の4歳児ら＝中津市山国町守実のコアやまくに

　大分県中津市山国町で今月から、デマンド型乗り合いバスの実証事業が始まった。平日に週2回運行していたコミュニティーバスの利用者が激減したため、予約制で平日に毎日運行するデマンドバスで利便性の向上を図る。市の事業で、業務を受託した市タクシー協会が運行する。 　市山国支所によると、コミュニティーバスは便数が少ないことや人口減少で、2008年に年間1万1221人いた利用者が23年には同2127人になっていた。 　デマンド型の実証はバス運行事業の継続を前提とした取り組みで、コミュニティーバスは9月末で廃止した。 　町内を3エリアに分割し、停留所108カ所を設置。車両計3台で、土・日曜・祝日と正月三が日を除いて午前7時から午後7時まで運行する。利用登録する必要があり、前日までに利用するバス停と時間などを電話予約する。運賃は1回の乗車当たり中学生以上200円、小学生100円、未就学児は無料。

「安全運転をお願いします」と溝部保育所の4歳児がデマンドバス事業の関係者にお守りを手渡した

　今月初めに同町守実のコアやまくにで運行開始セレモニーがあり、奥久和俊支所長が「これから見えてくる課題もあるだろう。利用者から意見を頂いて改善していきたい」とあいさつ。町内の溝部保育所の4歳児3人が、自分たちで絵を描いた交通安全のお守りを事業関係者に手渡した。 　最初の乗客となった同町宇曽の農業中島愛子さん（82）は自宅の最寄りのバス停から、利用するデイサービス事業所に近いコアやまくにまで乗車。「予約するのは面倒だが、便利なバスが走るようになって良かった」と話した。