センバツ高校野球 東海大菅生・マネジャー4人 日本一へ欠かせぬ支え /東京
◇部室清掃、お守り、お風呂に一工夫… 第95回記念選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)に出場する東海大菅生のチームを、4人のマネジャーが支えている。練習のサポートや部室の掃除などに加え、お守りを作ったり、お風呂に入浴剤を入れてリラックスできるようにしたりと、「日本一」を目指す選手をさまざまな面から手助けしている。【加藤昌平】 山田梓乃(しの)さん(2年)は「強豪校の野球部マネジャーになりたい」と同校に入学した。後輩の井上七虹(ななこ)さん(1年)、宿谷萌々香(ももか)さん(同)とともに、接客や練習試合でのアナウンス、部室の掃除洗濯などをしている。 山田さんは曽祖父が戦中戦後に阪急ブレーブスで活躍した元プロ野球選手の山田伝、父や兄はかつて全国を席巻した「やまびこ打線」で知られる池田(徳島)でプレーした元高校球児と、野球一家に育った。野球への思いは熱く、入部してすぐに入学式の動画を見ながら同学年の部員34人の顔と名前を一致させたという。 遠い土地から親元を離れて入寮した選手のため、「自分がお母さんみたいな存在になれたら」と、ほころんだ練習着やユニホームを積極的に繕ったり、選手それぞれの誕生日を祝ったりした。 入部直後に配った野球フィールド型の手縫いのお守りは、今も選手たちのバッグにつるされている。「そうやって付けてくれているので、また作ろうといつも思う」。お守りは大会ごとに選手のバッグに増えていった。 昨秋、そこに加わったのが井藤一磨さん(2年)だ。主にノックのボール渡しや寮でのサポート、試合中の記録員を担当する。 同校では新チームの最上級生の部員から男子マネジャーを選ぶことになっている。入部後、病気で体調を崩しやすくなり、マネジャー転向の打診を受けた。当初は悩み、以前から仲が良かった山田さんにも相談した。「決断を早まらないで」と言われたが、最終的に「記録員として自分もベンチで役に立てる」とマネジャー転向を決意した。 井藤さんは今、選手がいかに練習以外でリラックスできるかを考えている。寮の風呂に入浴剤を入れることを提案し、選手たちから好評を得たりもした。その働きに、山田さんも「マネジャーになってくれて助かっている」と信頼を置く。井藤さんも「(山田さんとは)今はもうパートナーです」と笑顔を見せた。 チームのために献身的に取り組むマネジャーに支えられながら、選手たちは甲子園の大舞台に挑む。