トランプ陣営、投票日夜のイベントで一部記者の取材認めず 選挙報道の内容に反応か
(CNN) 多数のニュース媒体に所属するジャーナリストが、大統領選の夜に開票状況を見守る共和党候補、トランプ前大統領のイベントの取材を拒否されていたことが分かった。トランプ陣営に関する報道への報復とみられる。 【映像】米アイオワ州でハリス氏がトランプ氏をリードか フロリダ州ウェストパームビーチで開催されるイベントの取材を認められなかったのはポリティコ、アクシオス、パック、ボイス・オブ・アメリカ、マザー・ジョーンズの記者ら。ポリティコなど一部は、当初イベント取材を認められていたが、その後決定が覆された。事情に詳しい人物がCNNに明らかにした。 この人物によると、決定はポリティコ・マガジン中の記事を受けて下されたという。記事はトランプ陣営の幹部が白人至上主義者であることを理由に解雇されたとする内容だった。 ポリティコの広報担当者はコメントを控えた。 パックの政治部記者、タラ・パルメリ氏も、アマゾンの特番でイベントの様子を伝える予定だったが、トランプ陣営の「不安」にまつわる記事を公開した前後のタイミングで、取材を拒否された。 同氏はポッドキャストで、今回の大統領選を通じ常に正直かつ公平な報道を行ってきたと主張。特番はロサンゼルスのスタジオから放送すると付け加えた。 陣営の決定に詳しい人物は、記者らがイベントへのアクセスを拒まれたことについて報道が理由だと認めつつ、その内容が「致命的」なものだったからとの見方は否定。あくまでも「不正確」な記事だったことが理由だと主張した。この人物によれば、当該メディアの他の記者らはイベントに出席できる見通しだという。 トランプ陣営の広報担当者らはこの件に関して、CNNからのコメント要請に応じなかった。ただ陣営共同トップのクリス・ラチビタ氏は先週、X(旧ツイッター)への投稿で、前出のパルメリ氏に言及し、でたらめを書く「傾向」があるためイベントへの取材許可を与えられなかったと説明していた。 大統領選前からトランプ氏は再三にわたってメディアを攻撃。秘密の情報源を明かさない記者は投獄すると約束していた。またメディア組織は「反逆」の疑いで捜査されるべきだとし、複数の放送局は自身へのバイアスを理由に放送免許を剥奪(はくだつ)されるべきだとも訴えている。 アクシオスのソフィア・カイ記者も、大統領選前のトランプ陣営の「不安」について報じた後、上記イベントへの取材を拒否された。