全世界で100万本!アトラスの人気ゲーム「ペルソナ 3 リロード」にみるリメイク作をヒットさせるヒント
10年以上の思いを実現へ!しかし、コストの壁が立ち塞がる
和田さんがリメイクを考え始めたのは、10年以上も前のこと。ディレクターとしてペルソナの格闘ゲーム『ペルソナ 4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ(P4U)』の開発を行なっていた頃だという。 「『P4U』は『ペルソナ 3』の2年後が舞台になっています。3のキャラ設定を作っていた時から、周りのスタッフに『ペルソナ 3のリメイクをやりたいんだよね』という話をずっとしていましたね。 今の立場になり、戦略的にやっていこうと真面目に考え出したのが2016年頃でした。 『ペルソナ 5』のアニメイベントの帰りに、当時パートリーダーだった山口拓也に『ディレクターをやってみない?』と声をかけたんです。『ペルソナ 3』が好きで思いの強いスタッフだったので、彼なら可能性があると思って話しかけたのが本格的に開発に踏み切ったきっかけでしたね」 開発を進めるうえで一番苦労をしたのが、社内で企画を通すことだったと和田さんは振り返る。 「企画を始めるにあたって、一番つまずいたのがタイトル起案です。正確には研究開発というかたちで始めるんですが、そこから本開発に向けて本起案を出します。 『こういう計画で商品を作ります』というのを、会社に通す部分が一番大変で。まず、お金の問題がありました。ゲーム開発は最近、5年はかかるのが当たり前になっています。 『ペルソナ 3』が発売された18年前に比べてゲームを制作する期間が長期になった他、開発コストのインフレスピードも加速していたんです。当時の開発費とのギャップがあまりにも大きいので、情報を整理して、説明して理解してもらうことに苦労しましたね」 後編では、『ペルソナ 3 リロード』で古参ファンを唸らせるために苦労したことは、アトラスが考える名作を後世に残すための戦略を聞いていく。 取材/DIME編集部 文/久我裕紀
@DIME編集部