避難所に“入らない”人たち「自分よりペットの心配が多い」ペット同伴で過ごせる避難所が完成
能登半島地震の被災地では、ペットを飼っていることが理由で避難所に入れなかったりペットだけ車中泊させたりする人たちがいます。このような中、ペットと同伴で避難できる施設が、4日に石川県能登町に開設されました。 【写真】避難生活を送るペットと飼い主 能登町小木の山城政樹(やましろまさき)さんの自宅は、地震の影響でボールが転がるほど家が傾いています。それでもこの家に住むのは、山城さん夫妻と愛犬の「さくら」です。当初は避難所に入ろうとしましたが、「さくら」が居たため他の人の迷惑になると避難所に入るのを諦めました。 山城さん「(犬と一緒に避難した人に聞いたら)吠えるから抱きっぱなし。離すと吠える。やっぱりその人らも一日おって終わって、自分の家に帰った。何人かいますよこの小木のまちなかにも」 山城さん以外にも避難所にペットを連れていけず悩んでいる人たちがいます。能登町の避難所で生活している新出よし子さん。飼い猫の「もっくん」はこの2ヶ月間ずっと車の中で飼われています。 新出よし子さん「ネコは車に車中泊しています。」 Q.心配とかありますか? 新出よし子さん「ネコの足腰も弱る、しストレスで具合悪くなったりしないかなあと思ったり。そういう心配が自分の心配より、ネコの心配の方が多いです」 先月27日、能登町越坂のライダーハウス「PEACE(ピース)」では、一風変わった建物の工事が進められていました。 オーナーの大場小都美さんが、敷地内のキャンプ場を開放し、ペットと同伴できる避難所を開設しようとしていました。 ■「とにかく普通の平穏な生活を」完成に飼い主らの反応は 大場小都美さん「これはね、ペットと飼い主が一緒に過ごせる“ワンにゃんハウス”です。能登町も相手にしてくれないし、もう自分で何かやるしかないということで、みんなの力を借りて、意見を借りて、やっと形になってきた」 4日、「ワンにゃんハウス」10棟が完成し、早速ペットを連れた入居者たちが訪れました。山城さんの愛犬・さくらも楽しそうに走り回ります。 さくらとじゃれる大場さん「さくちゃん、よしよし覚えた?良かったな良かったな」
山城政樹さん「有難いですよね。大好きな犬と一緒にこられて。これからどうするか。奥さんと相談してここに移住するか?って」 2か月の間車中泊をしていたネコたちは、初めての場所とあって最初は緊張していましたが慣れてくるとリラックスする姿も見せます。新出さんは、もっくんを撫でながら「もっくん。良かったね、広すぎてビックリやね」と語りかけていました。 大場小都美さん「とにかく普通の平穏な生活を飼い主も送れるように。それだけが願いです。あとは復興をね。私は期限を区切らず、いつまでも居て良いよと言ってあるから、飼い主もワンちゃんもネコちゃんも両方とも健康に戻してほしい」
北陸放送