<センバツ>「いいね」ポジティブ集団が結束 惜敗の津田学園
「ポジティブ集団」を自称する津田学園(三重)のナインが、25日の第1試合に臨んだ。石川史門主将(3年)を中心に、ミスをしても互いに励まし合う。「楽しくプレーしていることを見せることは、支えてくれる人への恩返しになる」。選手たちは試合中に笑顔も見せる。センバツ最多出場の伝統校相手に延長で敗れはしたが、最後まで戦い抜いた。 【今大会の全ホームランを写真特集で】 昨夏の三重大会は初戦でサヨナラ負け。新チーム発足直後、石川主将らは、失敗しても親指を立てて「いいね」と励まし合うことを決めた。夏の敗因を、気持ちの弱さと考えたからだ。先輩とともに味わった悔しさを無駄にしたくなかった。 全国各地の高校の運動部などでメンタルトレーナーを務める大嶋啓介さん(45)=三重県桑名市=の指導も受ける。「力を発揮するため、失敗しても前向きな言葉を発して上を見よう」。大嶋さんの言葉を確認しながら、活躍する自分たちを繰り返しイメージした。 昨秋の東海大会2回戦。初回に失策から先制を許したが、ベンチの選手も含めて「失点は仕方ない。みんなで取り返していけばいい」と笑顔で言葉を掛け合い、逆転勝ちにつなげた。「雰囲気が悪くなっても、『いいね』とやると切り替わる」。石川主将は自信を深め、結束力が強まっていることを実感した。 この日の初戦は、出場41回を誇る龍谷大平安(京都)と緊迫した投手戦に。延長十一回1死一、二塁のピンチにベンチから伝令に走った伊藤侑希選手(3年)は「笑顔出していこう」。一塁からマウンドに駆け寄った石川主将ら内野陣が「いいね」と声を合わせた。 大舞台で弱気なプレーは見せなかった。「力を付けて夏に帰ってくる」。悔しさをバネに、主将は前を向いた。【谷口豪】