「関ケ原合戦図屛風」に描かれた松倉重政を示す吉岡学芸員＝島原城観光復興記念館

　島原城を築いた初代島原藩主、松倉重政（生年不明～１６３０年）に関する史料を集めた特別展「松倉重政と島原城」（島原城築城４００年記念事業実行委主催）が、島原市城内１丁目の島原城観光復興記念館で開かれている。重政が大名に上り詰めていった足跡を物語る約１０点を展示している。１１月４日まで。入館無料。 　島原市教委などによると、重政は大和国（現奈良県）の戦国大名、筒井順慶に仕えた松倉重信の子。関ケ原の戦い（１６００年）で徳川方につき、０８年に大和国二見五条（ふたみごじょう）（現奈良県五條市）１万石の大名に取り立てられた。 　徳川方が豊臣方を攻めた大坂の陣（１４、１５年）に出陣。戦功で４万石に加増され、１６年、肥前国高来郡日野江（現南島原市）に封じられた。１８年から約７年をかけて島原城を築城したとされる。 　特別展で展示されている江戸時代の「関ケ原合戦図屛風（びょうぶ）」（岐阜・関ケ原町歴史民俗学習館蔵、複製品）は、軍馬に乗った重政の姿を描いている。 　布陣図「大坂御陣」（肥前島原松平文庫蔵）は、大坂冬の陣で激戦が展開された大坂城の真田丸近くに、重政が陣を敷いていたことを示している。 　島原市教委の吉岡慈文（ひろふみ）学芸員は「重政に関する史料は全国的にみても数少ない。島原城築城４００年で関心が高まり、新史料発見の機運が高まれば」と話している。