”家族”がテーマの夏ドラマから目が離せない…必見の3本をパワープッシュ
夏のドラマが盛り上がってますね。私が面白く見ているものを並べてみたら、なんとなくどの話も「家族」がテーマな気がしてきました。 ■『海のはじまり』(フジテレビ系) 大学時代の恋人・水季の葬儀に参列した夏。そこで初めて、彼女と自分の間に、娘の海が生まれていたことを知る。海を中心に、水季の両親、自分の両親と弟、そして夏の現在の恋人の弥生と、いろんな「家族」たちが揺れ動く物語。ああ、こんな時どうしたらいいんだろう、どうすれば正解なんだろうかと、見ている私も毎回心が揺さぶられて悩んで涙しています。生前の水季母娘を支えていた図書館の同僚たちが、「家族」じゃなくて「他人」だからか、話の外に追いやられてしまっている感じも気にかかる。「家族」って、なんなんでしょうね。 ■『西園寺さんは家事をしない』(TBS系) ポジティブで面倒見がいい西園寺さん。住むところを失った同僚の楠見くんと娘のルカに、一緒に住むことを提案。とにかく家事をしたくない西園寺さんと犬のリキ、家事が得意な楠見くん、ヤンチャなルカとで「偽家族」というチームでうまく生活をやっているはずが、西園寺さんに楠見くんへの恋心が芽生えてしまい……。 「普通の家族ってなんだろう?」「家事は誰がするべきなのか?」とまっすぐに問いかけてくる話ではあるけれど、難しいことは抜きにして、西園寺さんのかわいさにきゅんとします。会社ではバリバリ仕事、でも実はシルバニアファミリー大好き。そんなギャップがたまらない。いつも一生懸命で、周りにはおせっかいなくらいに思い切り愛をぶつける西園寺さんが大好きです。彼女の「家族」の傷も、いつか癒えるといいな。 ■『マル秘の密子さん』( 日本テレビ系) 介護をしていた社長の遺言で、会社の株券を相続してしまったシングルマザーの夏。彼女の前に現れたのは、トータルコーディネーターを名乗る密子さん。「あなたが変われば世界は変わります」と夏を美しい衣装で変身させ、彼女を社長にするべく、同族経営の大企業・九条建設に乗り込んでいく。 不運続きで騙されやすく、いつもオドオドと「ごめんね」と子どもたちにも謝り続けている、自信がない夏。娘も息子もそんな母にイライラしていたけれど、変わり始めた夏に影響されて、母を社長にするべく協力し始める。 と、ここまでなら「お金もなく不幸せだった家族が変わるいいお話」なんですが、密子さんが裏でやっていることが実は思いっきりブラック、暴力的。おとぎ話のような美しい映像との落差がこわい。彼女の秘密がだんだんと明かされてきましたが、最後はどうなるのか、全然わかりません。 ■文・イラスト/渡辺裕子