“シャフト沼”にはまって散財しないために… 人気フィッターが教える「シャフトの選びの正しい手順」
最適な重量は「HSが落ちない範囲で一番重いモノ」が最適解
基本的に各メーカーが年に1度のペースで新たなシャフトを世に送り出しているので、その数は年々増え続け、今や世の中には多種多様なシャフトが存在しています。 【ビシッと伸びた左腕!】これがカッコいいフォローが決まる片手打ち練習のやり方です スペックは細分化され選択肢が増えた一方で、さまざまなモデルを試し続けた結果、路頭に迷ってしまったゴルファーも少なくないはず。今回はそんなシャフトの“沼”にはまらないために、「ドライバーのシャフトの適切な選び方」をフィッター目線でお伝えします。
シャフト選定において最も重要な3要素が「重さ・硬さ・長さ」です。この3要素を押さえておくだけでもシャフト選定がかなり楽になります。 まず「重さ」ですが、これはヘッドスピード(以下HS)、体力、体型、握力、他のクラブとの連動性など色々な要素から最適重量が決まるのですが、自分で選ぶ場合は「HSが落ちない範囲で一番重いモノ」を選ぶのが最も簡単な方法です。 クラブが軽いメリットはHSが上がるという点なので、軽くすることでHSが上がるなら恩恵は大きいといえます。ただし、HSが変わらないのであれば、シャフトは重い方が衝突エネルギーは大きくなるため飛ぶ可能性が高いです。この点を押さえておけば「重さ」という要素はクリアできるでしょう。
飛距離と安定性の両立を図るためにも長さは重要な要素
次に「フレックス」とも呼ばれる「硬さ」ですが、軟らかいほうから順に、R、SR、S、Xなどとシャフトに書かれていますので、それを参考にします。一般的にHSが速いほど硬いシャフトがマッチしますが、HSが40m/s程度であれば、まずSを振ってみて出球が低すぎるようであればより軟らかいシャフトを、出球が高すぎるようであればより硬いシャフトを試してみてもよいでしょう。 ただし、このフレックスの表記はメーカーやブランドによって基準がさまざまです。軟らかすぎるSや、硬すぎるRも存在しますので表記に惑わされないようにしましょう。ちなみにメーカー純正シャフトとカスタムシャフトでは、半フレックスほどカスタムシャフトのほうが硬いことが多いです。純正シャフトのSとカスタムシャフトのSRが同じくらいの硬さなので、これを頭に入れておくだけでも硬さ選びが楽になります。 私のフィッティングでは表記ではなく振動数という数値を参考に最適な硬さを選んでいますが、この数値は専用の機械がないと測れないので「硬さ」選びはできればプロにお任せするのが一番です。 最後に「長さ」ですが、これも「重さ」と同様に「HSが落ちない範囲で一番短いモノ」を選ぶのが最適解となります。軽さと同じで、長いメリットはHSが上がるという点です。逆にいえば、同じHSであれば短い方がミート率は上がります。飛距離と安定性の両立を図るためにも長さは重要な要素となります。