映画「九十歳。何がめでたい」主演の草笛光子が舞台挨拶で「ちっともめでたくないんですけどね(笑)」
映画「九十歳。何がめでたい」の完成披露舞台挨拶が5月21日、東京・有楽町の丸の内ピカデリー1で行われ、主演で自らも90歳の草笛光子が「ちっともめでたくないんですけどね(笑)」と一刀両断し、会場を沸かせた。 同作は昨年11月5日に100歳を迎えた作家・佐藤愛子のベストセラーエッセイ集「九十歳。何がめでたい」を実写化したもの。この日は草笛をはじめ唐沢寿明、藤間爽子、片岡千之助、LiLiCo、真矢ミキ、前田哲監督が登壇した。 トークセッションでは草笛が演じた“世の中を痛快に一刀両断する90歳の作家”という役どころにちなみ、あらかじめ観客から募集した悩みや質問に回答。 1問目は映画のタイトルにかけて「今までの人生の中で一番めでたかったことは?」という質問だったのだが、唐沢は「それはこの日を迎えられたことじゃないですか」と即答。草笛も「うわーっと大きな声でわめきたいくらい」と続いた。
前田監督は「この映画に入る前に原作者の佐藤愛子先生と草笛さんと会食したことがありまして、当時、愛子先生は99歳、草笛さんが89歳。その2人に挟まれていることが非常にめでたい(笑)。ちょっと辛い時はその写真を見る。2人ともめちゃくちゃ元気でエネルギーをもらった。撮影中はエネルギーを草笛さんに吸い取られましたけど。撮影が終わってから生まれて初めて声が出なくなって、1日寝込んだことがありまして。なぜかなと思ったら2カ月間ずっと草笛さんに対して大きな声をかけていた。声を返してもらいたい(笑)」などと撮影前と撮影中のエピソードを明かした。
最後の挨拶で前田監督は「本編は99分という非常に短い映画になっているので、トイレの心配なく見てもらえるんじゃないかと思っています。6歳から100歳までのどの世代の方も共感できる、楽しめる映画になっている。なによりも俳優陣が非常に輝いています。撮影中も楽しんで演じていただいたおかげだと思っているので、そういうところも見てほしい。ぜひ、面白かったら広めていただいて、それなりだったらそれなりに広げていただければと思います」とPR。 草笛は「楽しんでいただきたいですね。怖い顔をして見られていたらこっちは分かりますよ(笑)」などと語ったうえで、MCが映画のタイトルを口にしたところで「ちっともめでたくないんですけどね(笑)」とかぶせて会場の笑いを誘った。 同作は6月21日から全国公開される。