「展示室の壁」をスクリーンに……市民ギャラリーで美術映画
【北海道・札幌】映画館のスクリーンではなく、展示室の壁をスクリーンに見立てて美術映画を鑑賞する……そんな催しが、札幌市民ギャラリー(札幌市中央区)で行われています。
同ギャラリーは、札幌市が「創造者と鑑賞者との出会いの場を提供する」「芸術文化活動を促進する」目的で、1982(昭和57)年2月に開館しました。 年間を通しておよそ2000パターンの利用があり、3分の1が絵画、3分の1が書道、残り3分の1が工芸・写真・版画・盆栽など多岐に渡る展覧会を実施しています。
その中で、1984(昭和59)年から開いている展示室を利用して開催されているのが「美術映画会」です。展示室を無料開放し、上映権付美術映像資料を上映しているのですが、それがスクリーンではなく展示室の白い大きな壁に直接投影するという珍しいものです。 会場となるのは、同ギャラリー1階の第3展示室。壁の高さは4mで、横長に使用すると幅が30メートルの白壁があります。その白壁に、縦3メートルほど、横4メートルほどの大きさでプロジェクターを通して映画を投影しています。
レオナルド・ダ・ヴィンチ映画に100人
4月14日には2016年度初の美術映画会ということで、予定していた80人を大きく上回る100人近いお客さんが来場しました。 今年の上半期のテーマは、「世界の名画 華麗なる巨匠たち」。その栄えある第1回目に選ばれたのは、巨匠レオナルド・ダ・ヴィンチ。美術家としてだけではなく、科学者としても数々の功績を遺した巨匠の人生に、お客さんは真剣に見入っていました。 今後は5月12日(木)にラファエロ、6月30日(木)にレンブラント、7月21日(木)にベラスケス、8月4日(木)にフェルメール、9月21日(水)にゴヤの映画の上映を予定しています。 (ライター・橋場了吾)