DeFi 第2フェーズを考える:開発者・機関投資家・個人投資家の3つの視点から
DeFi 第2フェーズ(開発者向け):より粒度が高く、新しいプリミティブ
開発者にとって、DeFiの新たな段階はインパクトのあるトレンドに支配されている。プロトコルは大規模かつ一体化した構造から、より小規模で、粒度の細かいものに移行しつつある。 私はこの動きを「DeFiマイクロ・プリミティブ」と呼んでいる。Morpho Blueのようなプロトコルは、洗練された機能を組み合わせることができるレンディング用プリミティブを可能にしている。 加えて、DeFi 第2フェーズの開発者は、DeFiの新たな金融プリミティブに新たな可能性を提供する、EigenLayerやCelestia/Mantaのような新しいエコシステムの出現から恩恵を受けるだろう。これらの新しいエコシステムにおける初期のイノベーターには、RenzoやEtherFiのようなプロトコルが含まれる。
DeFi 第2フェーズ(機関投資家向け):リスク管理、ストラクチャード商品
DeFi 第1フェーズにおける機関投資家への普及は、主に暗号資産企業によって牽引された。これが進化するためには、DeFi 第2フェーズは機関投資家の参入障壁を下げる堅固な金融サービスとなる必要がある。 リスク管理は間違いなくDeFi 第2フェーズに不可欠なものとなり、機関投資家はDeFiでリスクリターンを正確にモデル化できるようになるはずだ。これにより、より洗練されたリスク管理サービスが実現するだろう。 また、DeFi 第2フェーズのアーキテクチャーの粒度が細かくなっていることは、機関投資家にとって大きな導入課題となる。つまり、マイクロ・プリミティブを機関投資家が必要とする洗練性と堅牢性を実現したより高次のストラクチャード・プロトコルに統合する必要がある。 機関投資家がDeFiの次のフェーズに進むためには、証拠金レンディング、保険、クレジットなどのサービスが必要だ。 異なるプロトコルの利回りの提供とリスク管理、レンディングや保険の仕組みを組み合わせたものは、機関投資家のフレームワークに適したストラクチャード商品の一例だ。 規制は依然として、機関投資家へのDeFi普及の決め手となる要素だ。しかし、リスク管理や保険といった機関投資家向けのプリミティブがなければ、詳細な規制フレームワークの整備はほぼ不可能だ。それらがない場合、強引な規制が唯一の選択肢となるかもしれない。 このような観点から、DeFi 第2フェーズで機関投資家グレードの機能を開発することは、単に普及を促進するだけでなく、この分野の存続的なリスクを軽減することにもなる。