さとう珠緒さん(51)更年期かも?と感じた10年前から長期的なケアが功を奏して|STORY
人それぞれ異なる更年期の症状に対し、アプローチも十人十色。今回お話ししてくださった、さとう珠緒さんは、情報のアンテナを張り巡らせる達人でした。
○ さとう珠緒さん(51歳・女優、タレント) 1973年1月2日、千葉県生まれ。ドラマ・映画やバラエティ番組などで活躍しつつ、舞台出演などで演技も評価されている。最近ではドラマ「正直不動産2」(NHK)などに出演。
更年期対策へのアプローチは多角的に。自分を知ったうえでの情報収集が大切です
年期症状を感じ始めたのは10年ほど前。40代になったばかりのころでした。もともと乾燥しがちだった肌がどんどん潤いをなくしていって、何を塗ってもカサカサが治らなくて、自分の肌はどうなっちゃうんだろう? と不安になったことも。しばらくして、乾燥(*1)も更年期症状の一つだと知ってちょっと納得したり。女性ホルモンのバランスが乱れることで更年期の期間は肌が水分を失っていくとわかってからは腰を据えて(笑)、乾燥対策に取り組むようになりました。 もう一つ気になる症状は冷え(*2)。手足はもちろん、体の芯が冷えている感覚がずっとあって、基礎体温を上げるためにいろいろ工夫をしています。乾燥や冷えは女性全般によくある不調と思われがちですが、更年期症状の一種だとわかることで、長期的に改善するような方法を考えることができる気がします。 【*1・乾燥】「ドライシンドローム」とも呼ばれる更年期世代の乾燥は深刻。エストロゲンの分泌が減少することによって、自律神経が乱れ、粘膜や皮膚のみずみずしさが減り、ゴワゴワ、カサカサになることも。自分は乾燥肌だと決めつけて外側から補うだけではなく、ホルモンバランスを整えることも大事です 【*2・冷え】エストロゲンの低下により、自律神経が乱れることで起こると考えられるのが冷え。下半身は冷えて顔からは汗が出る、というような「冷えのぼせ」になることも。もともと体に備わっている体温を作り出したり、体の熱を届けたりする機能が低下してくるため、体は冷えやすくなるそう。基礎体温を上げるような運動など、根本的な改善策を早めにとるのがおすすめ。 ーバラエティ番組での活躍を見ると天然で可愛い印象が強いさとう珠緒さんですが、実は健康に関する情報アンテナがとても鋭い方。普通なら乾燥肌や冷えなど、女性の一般的な悩みとして考えられがちな症状でも、きちんと更年期と結びつけて対策に取り組まれているのは、知識の蓄積あってこそです。 乾燥に関しては、ローションやミルク、クリームでは追いつかず、全身にオイルを塗って保湿しています。オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリーのボディオイルは、オイルにしてはサラッとした使用感が気に入って愛用中。オフィシーヌ・ユニヴェルセル・ビュリーは200年以上も前に調香師の方がパリで立ち上げた天然由来の香水や化粧品の総合美容専門店。ショップのスタッフの方から、お風呂上がりの濡れた肌に塗るのがおすすめと聞いて、実践しています。 今使っているのは花束のような香り「ユイル・アンティーク フルール・ドランジェ・ドゥ・ベルカンヌ」。フレッシュなオレンジブロッサムとベルガモット、ネロリのエッセンスが利いた、上品で爽やかな香りです。 年々悪化する乾燥肌には上質のオイルが必須なので、馬油ベースの美容オイル「ダーマライズオイル」もよく使っています。ダーマライズシリーズはホワイトジェリーマスクも愛用中。濃厚な美容液がみっちり染み込んでいるひたひたゼリーマスクなので、肌のすみずみまで密着してくれるのがとても気持ちよく、まるで美容液に顔を浸しているかのよう(笑)。肌がくすんでいたり、ゴワゴワしていると気分まで落ち気味になるので、潤ってスベスベしたお肌になるように意識してケアしています。 冷えは、酵素風呂やお灸などで、基礎体温を落とさないよう、根本的なところからアプローチ。酵素風呂はいろんなサロンに行った結果、個人的にはヒノキより米ぬか推し(笑)。ヒノキの酵素風呂も殺菌効果、香りのリラックス効果もあっていいのですが、米ぬかの方が温度が高くて、あったまる気がします。どちらもメンテナンスや維持が難しいと聞いていて、だんだんサロンが少なくなっているようなので、私としてはお気に入りサロンにはなるべく通って、応援したいと思っています。 お灸も大好きで、以前は火を使うせんねん灸を使っていましたが、ある時から火を使わないせんねん灸にチェンジ。舞台で共演させていただいた先輩女優さんから電気のお灸をいただいてからはもっぱらそちらを使っています。でも、1セットに2個入りなので、もっと全身のツボに貼りたくて追加で購入を検討しています。 お灸以外ではたまにYouTubeのなかやまきんに君の動画を見てプチ筋トレをするぐらいでしょうか。 アンテナは敏感に張っているつもりなので、キャッチした多くの情報の中から、なるべくエビデンスがあるものを探して試すようにしています。キャッチしても試さず放置するより、なんでも恐れず面倒がらずに、トライ&エラーをしていくのが自分には合っていると思います。 ー主に東洋医学系のアプローチで体の不調に取り組むさとうさん。食材に関しても「サーモンはアスタキサンチン豊富」など、きちんと栄養素まで即答できる知識量をお持ちであることにも感心。「エビデンスはあまりないかもしれないけれど」と言いながら蓄えた情報をちゃんとご自分なりに整理されているのはさすがです。 更年期症状は気にはなっているものの、婦人科で血液検査は未経験でした。昨年末、そろそろ婦人科系の病気も心配になってきたので初めて乳がんや子宮がんの検査を受けました。閉経すると、さまざまな病気のリスクが高くなると聞いているので、そうなる前にこまめに検診を受けたり、手を打つべきものは打ったりしなければならないと思っています。 特に骨密度の維持は最重要課題! 毎日少しでも骨に刺激を与えることで骨粗鬆症予防を心がけたいです。 とにかく、自分の体は自分しかわからないし、病気に気づくのもリスクから守るのも自分だけ。例えば反抗期が人それぞれだったみたいに、更年期も人の数だけ症状があると思います。自分の特徴を知り自己分析して、いち早く不調に気づいて対策をするのが大事なんじゃないでしょうか。 そして、更年期にはメンタル的なケアも大事だと思います。私は更年期とコロナ禍が重なり、またがんにかかった愛犬を看取ったことでペットロスに陥り、そこから1~2年は鬱々と落ち込むことが多くてなかなかしんどい思いもしていました。でも一昨年新しい家族、チャックくんがうちに来てくれて少し気持ちも前向きになれました。やっぱりワンちゃんは私を支えてくれる大事な存在。そのことを再確認して、メンタル的にはかなり安定しました。 自身の体と心の健康に向き合いながら、楽しく明るく、好きなことを見つけて自然体でストレスを溜めずに、ご機嫌で過ごせたらそれがベスト。もし今の時点で好きなものが見つかっていなくても大丈夫。 私もストイックなタイプではなく、ほんとにズボラで飽き性なので(笑)、これ! というものにまだ出合っていません。推し活もしたいのですが推しジャンル、推しメンが見つからなくて寂しくて。 私も51歳。今が良ければいいや、というのではなく、60代、70代以降を生き生きと過ごすために、今日できることをやっておきたい。これからは自分がハマれるものを貪欲に探しつつ、ズボラにゆる~く、メンタルの栄養ももっと吸収していきたいですね。