スウェーデン、次期輸送機にC-390選定 NATOで5カ国目
ブラジルのエンブラエルは現地時間11月9日(日本時間10日)、スウェーデン国防省が次期戦術輸送機としてC-390「ミレニアム」を選定したと発表した。欧州では6カ国目、NATO(北大西洋条約機構)加盟国では5カ国目、北欧では初の選定となった。エンブラエルは、すでにスウェーデンと長期的なパートナーシップを結んでおり、ブラジルとスウェーデン両国のさらなる関係強化を図る。 【写真】スウェーデンが導入するC-390と更新対象のTP 84 C-390は、リージョナルジェット機世界最大手であるブラジルのエンブラエルが開発した双発の中型輸送機で、2015年2月3日に初飛行。最大ペイロードは26トン、航続距離は26トン搭載時が2000キロ(1080海里)、フェリー時が6241キロ(3370海里)、最高巡航速度はマッハ0.80(470ノット)で、貨物や物資、部隊の輸送、捜索救助など、多目的に運用できる。 スウェーデンは、ターボプロップ(プロペラ)の戦術輸送機C-130のスウェーデン向け「TP 84」をC-390で置き換える。 欧州でのC-390導入は、ポルトガル、ハンガリー、オランダ、オーストリア、チェコに続き6カ国目。エンブラエルによると、スウェーデンのC-390導入は、国防の強化につながるだけでなく、訓練施設、サポート、ロジスティクスといった分野で欧州域内の相乗効果が期待でき、同盟軍との相互運用性を高めることにつながるという。 これまでにエンブラエルの母国ブラジルのほか、ポルトガル、ハンガリー、オランダ、オーストリア、チェコ、韓国が選定。南アフリカ共和国にもC-390の導入を働きかけている。 ブラジルとポルトガルは空中給油・輸送型のKC-390、ハンガリーとオランダ、オーストリア、チェコ、韓国はC-390を選定した。
Tadayuki YOSHIKAWA