「陵印」集めがブームとなるか 歴代天皇の御陵を巡る旅が楽しい
神武天皇陵
第1代の天皇である神武天皇の畝傍山東北陵(うねびやまのうしとらのすみのみささぎ)は、大和三山の一つ「畝傍山」の北東麓にあり、住所は奈良県橿原市(かしはらし)大久保町にある。南に面する円丘で、方形の濠(ほり)がめぐらされており、陵前の第一鳥居には黒木が用いられている。 写真に見る神武天皇陵は開門されているが、これは特別な儀式の際に撮影したもので、残念ながら普段の門は閉ざされており、陵の中に立ち入ることはできない。これは、どの天皇陵も同じである。また、御陵内で行われる宮中祭祀(きゅうちゅうさいし)=神事は、政教分離の原則から天皇家の私的使用人である掌典職(しょうてんしょく)が務めている。 畝傍山の周辺には、神武天皇陵のほかにも第2代の綏靖(すいぜい)天皇陵、第3代の安寧(あんねい)天皇陵、第4代の懿徳(いとく)天皇陵が、所在している。
上皇ご夫妻のご参拝
2016(平成28)年には、神武天皇の二千六百年式年祭(亡くなられてから2600年)に際し、上皇ご夫妻(当時は天皇、皇后両陛下)が参拝に訪れている。この時は、秋篠宮ご夫妻も供奉(ぐぶ=お付きの者)として両陛下とともに参拝された。 文・写真/工藤直通 くどう・なおみち。日本地方新聞協会皇室担当写真記者。1970年、東京都生まれ。10歳から始めた鉄道写真をきっかけに、中学生の頃より特別列車(お召列車)の撮影を通じて皇室に関心をもつようになる。高校在学中から出版業に携わり、以降、乗り物を通じた皇室取材を重ねる。著書に「天皇陛下と皇族方と乗り物と」(講談社ビーシー/講談社)、「天皇陛下と鉄道」(交通新聞社)など。