拉致問題「時間ない」…都内で国民大集会 被害者家族ら800人、一括帰国の早期実現を訴え
北朝鮮に拉致された全被害者の即時一括帰国を求める「国民大集会」が11日、東京都内であった。1978年に鹿児島県日置市の吹上浜で連れ去られた市川修一さん=失踪当時(23)、増元るみ子さん=同(24)=の家族ら約800人が差し迫った思いを共有、一日も早い帰国の実現を訴えた。 拉致問題即時解決へ「あらゆる手を尽くして」「米国の後ろ盾が必要」…被害者家族、米大統領の支持表明に安どや訴え
政府が認定する被害者の親で存命なのは横田めぐみさん=同(13)=の母早紀江さん(88)ら2人。めぐみさんの弟で家族会代表の拓也さん(55)は「時間的制約のある人権、人道問題であることを改めて認識すべきだ」とあいさつした。 岸田文雄首相は「日朝間に長年にわたり存在してきた相互不信の殻を破る必要がある」と強調。金正恩朝鮮労働党総書記との首脳会談の実現に向け「さまざまなルートを通じた働きかけを一層強める」と語った。 集会後、取材に応じた市川さんの兄健一さん(79)は「時間がない。首脳会談実現のためにあらゆる手だてを講じてほしい」。増元さんの弟照明さん(68)は「北朝鮮側から会ってほしいという状況をつくるべきだ」と圧力強化を求めた。 集会は家族会や救う会、拉致議連などが主催した。
南日本新聞 | 鹿児島