久保建英でも、堂安律でも、谷口彰悟でもない…城彰二が「心配になるレベル」と厳しく指摘した森保ジャパンの“意外な選手”とは?《W杯アジア最終予選》
「左足のインサイドでクリアすれば済む」谷口のオウンゴールに思うこと
――オーストラリア戦では、最終予選で初失点を喫しました。 城 これは谷口の完全なミスでしょう。右利きだから右足でのクリアを優先したのがそもそも間違いで、あそこは左足のインサイドでクリアすれば済むことなんです。谷口の近くに相手の選手もいなかったので、焦ってクリアする必要もない。 このクリアミスの伏線になったのは、その前のプレーでした。相手のボールを奪い切れなかったので、それで慌てて戻った矢先、オウンゴールが生まれた。ベテランらしくない大きなミスで、これがW杯なら命取りになるかもしれない。谷口本人が一番悔しいと思うし、ミスはつきものだけど、してはいけないミスがありますから。 ――一方、初招集された大橋祐紀選手、関根大輝選手は出場機会を得られませんでした。 城 2試合とも難しい試合だったので、なかなか出られる状況にはなかったのかなと思うけど、オーストラリア戦はふたりもGKのバックアップを入れる必要があったのかなと思いますね。 また、4バックをやるつもりがないなら、サイドバックではなく大橋のような攻撃的な選手を入れておくべきでしょう。新しい選手を招集して代表の空気に触れさせ、戦い方を見させるというのはあると思うけど、もうそういう経験はいいんじゃないかな。大橋は欧州で結果を出してきている選手ですし、呼ばれたからには出場することに飢えていると思うんです。 そういう選手がデビュー戦で劇的なゴールを生むのってけっこうあるんです。でも、まだ思い切って使えないんでしょうね。森保さん、新しい選手の起用には慎重だし、頑固だから自分の考えを曲げないので。
11月のアウェイ2連戦はインドネシアに要注意
――11月は、インドネシア・中国とのアウェイ2連戦になります。日本は4試合で勝ち点10ですが、この2試合に勝てば予選突破にだいぶ近づきます。 城 中国はともかく、インドネシアは曲者って感じがしますね。サウジ、オーストラリア、バーレーンに負けていないので要注意かなと思いましたが、中国にコロッと負けているので、安定感はそこまでないのかもしれない。 ひと昔前のインドネシアはうまいけど、そんなに強さが感じられないチームでしたが、今は帰化した選手が多く、GKパエスを始め能力が高い選手が揃っています。チームも粘り強く戦いますし、積極的に攻撃を仕掛けてくる。 オーストラリア戦みたいに運動量が足りないと危ないシーンを作られてしまう可能性があるかもしれない。相手ファンの大観衆の中での試合になると思いますが、それはサウジ戦でも経験しているので、アウェイはそんなに気にする必要はないと思います。 ――森保一監督としては、早く予選突破を決めたいでしょうね。 城 間違いないですね。ある程度、予選突破が見えた段階でパリ五輪の選手や他の選手を入れてくるでしょう。その時、チームにどんな変化が起こるのか。W杯を見据えて、もっといろいろチャレンジができるんじゃないかなと思います。 取材・文=佐藤俊
城 彰二
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