弥生時代の木製鎧を福岡県糸島市の博物館で公開…深江石町遺跡で発掘、装飾少なく製作途中か
福岡県糸島市二丈深江の深江石町遺跡で弥生時代の木製鎧(木甲)が見つかり、同市の伊都国歴史博物館で公開されている。10月14日まで。
市文化課によると、木甲は体の前部左右に身につける前胴2枚と、背中側の後胴1枚を組み合わせて使う。出土は国内17例目で、右の前胴(長さ46・5センチ、幅27・7センチ)、左の前胴(長さ47・5センチ、幅28センチ)、後胴(長さ39・8センチ、幅34・6センチ)のほか、材料となった柿の木の半裁2点も見つかった。時期は弥生時代後期前半(1世紀)で、装飾が少なく製作途中と考えられる。
宅地造成を前に2022年7月~23年3月に市が実施した発掘調査で発見。状態が悪くもろかったため、薬剤で保存処理を行った。
今回を含め、木をくりぬいて製作された木甲は、福岡市や筑前町などで8例が確認されているが、本来の形に近い状態で見つかるのは珍しいという。同課は「当時の実態を知る上で貴重な史料だ」としている。
午前9時~午後5時。休館は月曜、祝日の場合は翌日。入館料は高校生110円、一般220円(65歳以上は無料)。