大学生の悪質イタズラから1年半…受験生が願掛け「ゴトゴトしなくなった『ゴトゴト石』」の悲しい今
あっ、石が動かなくなっている! パワースポットとして人気の巨岩「ゴトゴト石」(高知市土佐山)に異変が見つかったのは’22年11月。観光客が市に通報したことがきっかけだった。 悪質イタズラで…受験生が願掛け「ゴトゴトしなくなった『ゴトゴト石』」悲しい現場写真 「ゴトゴト石」は直径約2m、重さ数トンはある岩だ。押すとゴトゴトと動くが、後ろの崖から落ちそうで決して落ちないことから願掛けに訪れる受験生も多かった。それがある日を境に動かなくなったのだ。 「現場には車に使うジャッキなどが放置されていたため、悪質なイタズラとみて地元住民500人が刑事告訴しました。捜査の結果、高知区検は関東の20代の大学生男女6人を器物損壊罪で略式起訴。高知簡易裁判所は昨年、6人それぞれに罰金20万円の略式命令を出したのです。 東京からレンタカーで現地を訪れた学生たちは、『ゴトゴト石』を崖から落とそうと手や工具で押したものの断念。少し動いた『ゴトゴト石』が右側の岩に当たる形になり、ゴトゴトしなくなってしまったのです」(地元関係者) ◆「いまだに連絡も謝罪もない」 騒動から約1年半後の今年4月。現地を訪れた記者は「ゴトゴト石」の「悲しい今」を目の当たりにする。石を押してみたが微動だにしない。これではご利益を期待して訪れる人もいないだろう。ゴトゴトしなくなった石は今後どうなるのか。所有する仁井田神社から管理を任されている地元の区長が話す。 「私としては早く復旧したいし、ありがたいことに作業に協力するとの申し出も来ています。そろそろどうするのかを決める段階に来ているため、住民それぞれの意見をまとめているところです」 だが、問題がある。現場に続く道路は狭い山道で大型重機が入るのは難しい。クレーンで石を元の位置に戻したとしても、微妙なバランスで成り立っていた石は果たして元の状態に戻るのか。肝心の費用は誰が負担することになるのか。 「石を戻すための費用は、こうなった原因を作った学生たちに出してもらおうと考えています。しかし、いまだに連絡も謝罪も一切なく、彼らがどう考えているのかさえこちらには全くわからない状態です。『ゴトゴト石』はこの地区の貴重な観光資源。ご祈願をしたいと願っている受験生がいることを考えると、早く元に戻したい。費用の請求を含め、弁護士と相談しながら進めていきます」(同前) 学生たちにとっては、ちょっとした悪ふざけだったのかもしれない。しかし「ゴトゴト石」を大切にしてきた地元の人たちの気持ちを考えれば、この上ない悪質なイタズラと言われても仕方がない。まずは謝罪をして誠意をみせることが必要だろう。 取材・文・撮影:形山昌由 ジャーナリスト
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