当確の報を受け、花束を受け取る神田さん＝27日午後8時18分

　神田潤一さんの当選確実の速報が午後8時に伝わると、支援者が集まっていた青森県八戸市の八戸プラザホテルの会場に歓声が沸き起こった。間もなく会場入りした神田さんは「皆さんにしっかり恩返しし、選挙戦で見せた結束を、地域の発展につなげていきたい」と2期目への決意を語った。 　自民党の派閥裏金事件には関わっていないが、逆風下での選挙戦だった。政治不信への謝罪をしながら、経済対策や農業、水産業、賃上げ、日本の安全保障と幅広く政策を訴えた。地域ごとに話題を変え、内閣府政務官の実績もアピール。公明党との連立政権継続の必要性を主張した。 　しかし、新たな「政治とカネ」の問題が終盤に発覚し、向かい風は「暴風雨」に。党への不信を払拭しようと、政治改革の先頭に立って立て直す－と強調する主張に変え、「これだけ幅広く政策を語れる人が他の候補者でいますか」「政策も、実績も負ける気がしない」と自身を売り込んだ。 　2期目への挑戦は、地盤を引き継いだ大島理森元衆院議長からの独り立ちでもあった。神田さんの後援会は2023年6月の県知事選後に高校の同級生らで組織した。大島さん時代に比べ若返ったが選挙戦の経験はなく、活動にも不慣れ。支援者への連絡不足や「顔を見せない」などと選挙区内で不満もくすぶった。 　空回りする若手を見かねた大島さんの後援会世代が、企業・団体、支援者の回り方、人海戦術など裏方の役割を助言した。選挙後半になってようやく後援会の歯車がかみ合い始めた。 　選挙戦を振り返った神田さんは「大島先生を支えた先輩たちのノウハウ、気持ちを私自身の後援会世代が引き継ぎ、積み上げる。これがこの地域の強さ。厳しかったが、素晴らしい選挙戦になった」と語った。