<解説>「ブギウギ」で事件発生! 朝ドラの可能性を広げた?“高橋刑事”内藤剛志の存在感
現場で、内藤さんは「(大阪での撮影で)ご出身ということもあり、とても楽しんでいただいた」という。
「内藤さんはもちろんお芝居は確かですし、しっかり任せられる方。事件の空気感、刑事ものの空気感は得意な領域でもあるので、良い意味でリラックスして、スタッフや趣里さんとも話して、いろいろアイデアを出されていました。アドリブもたくさん入ってます」と語る。
◇高橋刑事が先にカツ丼を食べる展開に「ひっくり返った」
第115回(3月14日放送)では、取り調べ室でカツ丼が出てきて、犯人に食べさせるベタな展開かと思いきや、高橋刑事がまず自分で食べ始めるという意外性のある場面があった。これは、足立紳さんが書いた台本にしっかり描かれていた。
「僕も台本を読んでひっくり返りました。笑いましたね。台本で“高橋、おもむろにカツ丼のふたを開けると食べ始める”と。足立さんのユーモアといいましょうか、高橋刑事がおなかがすいてたから自分で食べるという(笑い)。(そのあと小田島に出された)特上のカツ丼がとてもおいしそうで、逆に泣けてくる」
福岡さんは「スタッフもみんなひっくり返りました。撮影現場でも大分不思議な空気になった」と笑いながら振り返る。
「警察指導の方に、当時、取調室でカツ丼を振る舞うことはあったのかと尋ねると、『ないこともないですよ』と」というが、「(取り調べの刑事が先に食べる)『この展開は見たことがありませんね』と真剣な表情をしつつも、とても楽しそうに見ていました」と明かした。
◇「朝ドラで刑事もの、いけるんじゃないか」と確信
内藤さんが登場する一連の事件捜査の場面は、刑事ドラマやサスペンス調のアングル、雰囲気のシーンも多く、「一瞬見ている番組を間違えた?」という声もあった。
福岡さんは「僕はこれを見て、『朝ドラで刑事もの、いけるんじゃないか』と思いました。もともと朝ドラは、職業ものとは相性がいい企画だと思っていたんですけれど、刑事もので朝ドラはありだなと強く思いました。今週の放送を通して面白いということが証明されたので。毎週事件が起こって、捜査員が現れて……ぜひ企画してみたいと思います」と朝ドラの未来について、思いをはせていた。
3月18日から始まる第25週では、スズ子の前に若手スター歌手が現れる。本編は残り10回となったが、歌手としてのスズ子の思いを、最後まで見届けたい。