アレクサンダー・カルダーの個展が麻布台ヒルズギャラリーで開催へ。新オープン「ペース」との共催
東京では35年ぶりの個展
麻布台ヒルズギャラリー(麻布台ヒルズ ガーデンプラザA MB階)で、5月30日から9月6日にかけ、東京では約35年ぶりとなるアレクサンダー・カルダーの個展「カルダー:そよぐ、感じる、日本」が行われる。7月に麻布台ヒルズ内にオープンするペース・ギャラリーと麻布台ヒルズギャラリーとのパートナーシップの一環。 アレクサンダー・カルダー(1898~1976)は、吊るされた抽象的な構成要素が、絶えず変化する調和の中でバランスを保ちながら動く「モビール」の発明でもっともよく知られるアーティスト。古典的な芸術家の一家に生まれたカルダーは、針金を曲げたりねじったりすることで、立体的な人物を空間に「描く」という新しい彫刻の手法をあみだし、芸術活動をスタートさせた。 1931年にマルセル・デュシャンによって作られた「モビール」という言葉は、フランス語で「動き」や「動因」を意味する。初期のモビールにはモーターで動く作品もあったが、しだいにカルダーは作品を機械駆動させることをやめ、気流や光、湿度、人間の相互作用に反応する作品を多く制作していくようになる。モビールの重要な要素として「動き」を用いたカルダーは、キネティック・アートの先駆者のひとりとなるいっぽうで、芸術家仲間でもあるジャン・アルプが「スタビル」と名付けた静止した抽象的な作品も制作した。 カルダーはモビールに加え絵画、ドローイング、版画、宝飾品など、数多くの作品を制作し、幅広い分野で活躍しtらが、1950年代以降になると海外からの制作依頼に関心を向けるようになり、ボルトで固定した鉄板を使った壮大なスケールの屋外彫刻の制作にますます力を注ぐようになった。今日、これらの記念碑的な作品は、世界中の公共スペースで見ることができる。 「カルダー:そよぐ、感じる、日本」と名付けられた本展は、アメリカのモダンアートを代表するカルダーの芸術作品における、日本の伝統や美意識との永続的な共鳴がテーマ。ニューヨークのカルダー財団理事長であるアレクサンダー・S.C.ロウワがのキュレーションし、ペース・ギャラリーの協力のもと、カルダー財団が所蔵する1930年代から70年代までの作品約100点で構成され、代表作であるモビール、スタビル、スタンディング・モビールから油彩画、ドローイングなど、幅広い作品が展示される。
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