「あずきミルクの石油ストーブが即日完売」?? 家電も多様性の時代!個性イロイロ
インテリアの好みや「SNS映え」を意識し、色にこだわった家電製品を発売する新潟県内メーカーが相次いでいる。オンラインの直販では、量販店向けの製品とは一線を画すカラー展開も用意する。ブランドの強化や、女性や若い世代など新たな需要取り込みに向け、各社は色で独自性をアピールしている。 新潟県内メーカーの個性豊かな色彩の家電 コロナ(三条市)は今秋、自社オンラインストアで石油ストーブSL型の「あずきミルク」(3万2800円)を限定発売した。くすんだピンクで、4年前に発売した際に即日完売した人気色。質感やかわいらしいカラーリングが特徴で、主に女性を意識した。 SLは1962年に初代モデルが発売されたロングセラー商品だ。近年は見た目が「レトロかわいい」と、SNSを中心に人気が高まっているという。定番品は白だが、2019年に黒を限定発売し、主に男性客から人気だった。 コロナのオンラインストアを担当する営業推進部の清野美幸さん(32)は「インテリアにこだわりを持つ人にターゲットを絞った」とし、SNSのシェアで認知拡大を狙う。 オンラインストアでの色別販売を、テストマーケティングの機会と位置付ける企業もある。ダイニチ工業(新潟市南区)は、自社直販サイト限定で、ハイブリッド式加湿器のデザインモデル(ERXT502)を5色展開する。 同社によると、加湿器を買い求める層は30、40代の女性が多い。女性が好むナチュラルな雰囲気のインテリアに合うようにと、くすんだカラーで華やかさを持った「グレイッシュローズ」と、明るく温かみのある「ナチュラルアイボリー」の2色を加えた。各3万3千円。 白や茶色など量販店向けのラインアップとは展開を変え、消費者の反応を探る。オンラインでの引き合いを見て、来季以降の量販店向けのカラー追加も検討する。 ツインバード(燕市)は新たな顧客獲得とブランディング強化を視野に、カラー戦略を練る。同社を代表するブランドとして売り出している「匠(たくみ)プレミアム」のコーヒーメーカー(3万8500円)とトースター(2万5800円)に白色を加えた。 両製品は当初の想定を上回る売り上げで、家電事業をけん引する。これまで黒のみだったが、明るいトーンのキッチンインテリアに合う白への要望が多く寄せられていた。 企画デザイン部の戸鳴美月さん(26)は「白を基調としたインテリアを好む方の期待に応えられる商品になった」と手応えを語る。黒と白の2色展開で、さらなる売り上げ増を目指す。