【RIZIN】朝倉海「ほんとうは断るべき」、アーチュレッタ「ここでキャリアを終えてもいいからベルトを取り戻したい」
大晦日『RIZIN.45』さいたまスーパーアリーナ大会で、体調不良により減量失敗し、2.8kgの体重超過でRIZINバンタム級王座を剥奪されたフアン・アーチュレッタ(米国)。 【写真】朝倉海がボディに突き刺した右ヒザ。狙っていた一撃だった 朝倉海とのバンタム級王座戦は、朝倉が勝利した場合のみ王者に認定され、アーチュレッタ勝利の場合は無効試合。罰金の上に試合1時間前に再計量をし、68kgのリカバリー制限が設けられ、アーチュレッタには試合前にレッドカード(全体評価の100%から50%の減点)が提示されてのスタートとなった。 UFCなどではタイトルマッチにバックアップファイターが用意され、王座戦の2人に加え、リザーバーも計量に臨んでいるが、そこには準備分のコストがかかっており、通常は体重超過分のペナルティとしてファイトマネーの20%から30%が対戦相手に支払われることになっている。また、各州のコミッションにより異なるものの、2ポンド(0.9kg)~7ポンド(3.17kg)以上の体重差がある場合は、試合を認めないケースもある。 そんな状況下、今回のRIZINのコメインの王座戦を両者が行わないという選択肢もあったが、朝倉は「相手が何kgでも戦う気でした。試合ではとにかくアーチュレッタがデカかった」と言い、アーチュレッタも「自分の身体のなかで骨一本、血一滴たりとも、組まれた試合をやらないという選択肢は無かった」と語っている。 朝倉は、試合前にエリー・ケーリッシュ・ヘッドコーチに加え、ビリー・ビゲロウ・レスリングコーチを招聘し、MMAレスリング、特にテイクダウンディフェンスを強化。アーチュレッタの身体構造をドクターとともに分析し、ボディ攻撃が有効であると想定、相手セコンドの声の聞き取りまでトレーニングし、2R、アーチュレッタ陣営の『ワンツーで入れ』の声に、カウンターの右ヒザを突き刺した。 万全の体制のなかでの必然の勝利、と言える完勝劇だったが、その内実、試合直前まで内側側副靭帯の損傷が“治りきっていなかった”ことも自身のYouTubeで明かしている。 10月の皇治戦が浮上した後に、再びスパーリング中に左ヒザを負傷。対人の組みが出来たのが12月の2週目で、テーピングを外せたのが試合2日前という状況下、朝倉は「スパーリングではない、技のドリルの反復練習」を行い、試合に備えてきた。 病気が原因とはいえ、最後の水抜きをぎりぎりまで行わなかったアーチュレッタとの試合に臨むことは、朝倉にとってリスクがあった。 「ほんとうは断るべき。体重超過した選手との試合を断った人が責められる状況は絶対作りたくない。今回は俺がおかしかった。断るのが普通」と言いながらも、「“ラッキーだったな”と言われるのはムカつく。“(アーチュレッタの)体調が悪かったから勝てた”みたいなことを言われると“いやいやいや、こっちの方が絶対不利だからな、圧倒的に”と思って。でも体重差がある相手にテイクダウンディフェンスが出来て、KO出来るのは自信になった」と振り返っている。
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