平野紫耀&神宮寺勇太&岸優太が吸収してきた音楽 Number_i「GOAT」の多彩なボーカルテクニック
神宮寺勇太の歌唱は表現の振り幅がポイントに
ふたりと比べると、どちらかと言えばメロディラインを強く感じさせる歌い方をしているのが神宮寺だ。〈入れるモザイク But 俺のスキルは健在 GOAT〉や〈時代は Baby Blue/一番星になったお前の分〉といった部分などは、流れるような歌い方だからこそ歌詞が聴き取りやすいし、「GOAT」のなかでは、ある意味スパイスにもなっている。また、〈正しいものを気取り/カラフルで真っ白〉の粘っこい歌い方や、〈I'm the New GOAT/時代を背負う〉でのエッジボイスなど、彼の歌唱は表現の振り幅が広い。それは、さまざまな楽曲に触れているがゆえの引き出しの多さのようにも思える。 こうした個々のボーカルテクニックは、もちろん頭で理解してアウトプットしている部分もあるとは思うが、なんとなく彼らの場合は、“感覚的にできてしまっている”というほうが近いような気がしている。出会った音楽のなかから「いい」と思ったものを吸収し、自分自身のなかへしっかりと落とし込んで、昇華させているのだろう。だからこそポテンシャルが高いと感じさせてくれるのだろうし、次はどんなものを見せてくれるのかと彼らには期待してしまう。 3月6日には「GOAT」のほかに新曲も複数収録したCDのリリースも決まっており、今後の音楽活動にも拍車がかかるNumber_i。「いい意味で裏切りたい」と平野が以前に話していたが、それはすでに「GOAT」でも実証済みだ。いい意味で裏切ってくる彼らだからこそ、これからが楽しみで仕方ない。 ※1:https://open.spotify.com/playlist/6GXNyXHtJbhQhgogQCDFyg ※2:https://music.apple.com/jp/playlist/number-i-new-year-starters-2024/pl.3a2e731cdba64b3dbb3c55e381503d23
かなざわまゆ