「旅サラダ」卒業で神田正輝ロス続出!? “事実上の引退”となった昭和のスターの若かりし頃を秘蔵写真で振り返る
貫いた神田さんの美学
昨年からの休養も、今回の卒業も、その具体的な理由については本人の口から明かされることはなかった。黒沢さんはその気持ちも慮っていた。 「そんなの、言う必要ないよ。正輝は二枚目スターなんだから。テニスやゴルフ以外にもスキーもプロ級の腕前で、最高にカッコいい。プライベートなことの公表は、俳優のタイプによって言う言わないが分かれて当然です。 これがね、個性派俳優なら言ったほうがいいだろうけどね。僕は正輝には美学を貫いてほしかった。でも長年お世話になったテレビ局に自分を捨てても恩返しの義理を果たしたかった……というのが正輝の美学なのかもしれない」 黒沢さんの言う「スキーもプロ級の腕前」という言葉を裏付ける記事が、集英社がかつて発行していた雑誌「週刊明星」(1980年4月6日号)にあった。 「芝居ってスポーツみたいにうまく行かないんだよな」とタイトルが打たれた特集では、苗場のゲレンデでスキー板を巧みにあやつり、弾ける笑顔で誌面に載る29歳の神田の姿があった。 そして、インタビューではスキー愛についてこう語っていた。 「学生時代は1年のうち3分の2ぐらいは山暮らしだったほどのスキー狂。この苗場のゲレンデも自分の庭みたいなもの。 自分の生き方を振り返ってみて危険をサッとかわしたりスピードを殺したりするスキーのコツがとても役立ってると思う。芝居もスキーのようにうまくやれればと思うよ」 また、テニスでたくましい大腿筋を見せながら豪快なスマッシュを放つ姿も同誌面で披露しているが、「体動かしてる時にはいい汗かくのに…」と、芝居の難しさ、思い通りにいかない歯がゆさについても吐露していた。 昭和の大スターを見る機会が少なくなってしまうのはさびしいが、視聴者も今後もたまにで良いのでテレビや雑誌などのメディアに顔を出してほしいと願っているのではないか。 取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班
集英社オンライン編集部ニュース班