【井口基史のスカウティングレポート】やっぱり気になるお金について(後編)「トップチーム人件費」ランキング2022年度版
■ファイナンシャル・フェアプレー
サッカー界にはファイナンシャル・フェアプレーという選手年俸などの支出が収入を上回ることを禁じたルールがあり、違反すると罰金、カップ戦出場権剥奪、選手登録人数の制限などの制裁が科されます。これは海外だけの話ではなく、日本でもJリーグとクラブを発展させる基盤になる重要な概念であると合意されているのです。 今回の発表はBリーグでも極端な決算数字が出たと言えるかもしれません。それだけに今後はファイナンシャル・フェアプレーのようなルール整備の必要性への議論があるかもれしれません。
■残留にかかる人件費の目安は?
降格した滋賀レイクスが4億円、新潟アルビレックスBBは3.1億円でしたので、トップチーム人件費が4億円以下になると降格リスクが非常に高くなり、警戒が必要です。ただし4億円以下だった仙台89ERS、信州ブレイブウォリアーズはサバイブ(回避)しており、両クラブにとってはやり繰りで工夫し凌いだかを評価されていいシーズンだったと言えるでしょう。
■昇格にかかる人件費の目安は?
今シーズンB1に昇格して奮闘中の佐賀バルーナーズと長崎ヴェルカ。B2だった昨シーズンは佐賀が2.6億円、長崎が3.6億円の人件費での昇格です。一方、現在もB2で戦うアルティーリ千葉が5.1億円、越谷アルファーズが3.6億円、ライジングゼファー福岡が3.2億円、熊本ヴォルターズが2.8億円と、佐賀よりも人件費をかけて戦っていたことがわかります。これを見ても、B1昇格が簡単ではないことが見てとれます。 お金のことをより知ることで、普段ご覧になっているホームアリーナの景色がどうあるべきか見えてくるかも。そろそろ選手年俸が報道されてもおかしくない時代にきていますので、もっとオンタイムでトップチーム人件費を知る時は近いかもしれません。
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