崖っぷち中国 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転
ただ、復活が今後も続くかどうかは予断を許さない。米政府は先端半導体の開発や製造に必要なソフトウエアの対中禁輸措置を導入しており、ファーウェイが性能を向上させられるかは未知数だ。米政府が今後、禁輸措置を強化する可能性もある。ロイターは4月4日、バイデン政権は近く「オランダの半導体製造装置メーカー最大手ASMLに対して、中国での製造装置向けの保守点検などのサービス業務を打ち切るよう要請する方針だ」とスクープした。実現すれば、先端半導体の製造は一層困難になるだろう。 ただ、禁輸措置はファーウェイにプラスとなる面もある。人工知能(AI)用の計算に使う画像処理半導体(GPU)などの国内販売を独占できる可能性が高まるからだ。GPU最大手の米エヌビディアは2月に開示した年次報告書で、ファーウェイを初めてGPUなどの競合他社の一つに挙げた。 ファーウェイの復活とアップルの苦境はいつまで続くのか。米政府に大きく左右される状況は続きそうだ。 (高口康太〈たかぐち・こうた〉ジャーナリスト)