全焼の南海尾崎駅11日から営業再開へ スロープ設置で対応
全焼の南海尾崎駅11日から営業再開へ スロープ設置で対応 撮影・編集:柳曽文隆 THE PAGE大阪
南海電鉄は7日、駅舎が全焼して閉鎖されていた南海本線の尾崎駅について、ホームへのスロープを設置して11日の始発から営業を再開すると発表した。 【動画と別の中継録画】南海・尾崎駅が全焼で閉鎖中 地元住民ら「早い復旧を」
全焼で駅が使えず閉鎖、電車は通過措置に
南海電鉄などによると、4日午後1時10分ごろ、尾崎駅構内の券売機付近から出火し全焼した。出火当時は台風21号の影響により風が強く、飛来物が駅ホーム上の架線を切って、駅構内の配電盤がショートしたことが出火原因とみられるという。電車は台風の影響で運行を見合わせていたため乗客はおらず、駅員は避難して無事だった。
スロープ設置で乗車可能に、ホーム間の移動は不可
その後、南海本線は運行が再開されたが、尾崎駅は駅舎が使えないために閉鎖。電車は通過措置がとられ、南海電鉄は尾崎駅の利用客に対し「ご利用のお客さまにはご不便をおかけし誠に申し訳ございませんが、樽井駅または鳥取ノ荘駅をご利用ください」と呼びかけていた。
駅舎には閉鎖後も「いつ再開できそうか」と聞きに来る利用客が訪れ、駅の入り口で常に交代で待機している駅員が、一人ひとりにていねいに説明する光景がみられた。ある駅員は「火災発生時にお客様がおられなかったことが唯一の救いでした」と沈痛な面持ちで話していた。
再開にあたっては、なんば行きホームと和歌山市行きホームにスロープを設置して乗車できるようにする。しかし、駅構内ではホーム間の移動ができないため「駅の北側か南側にある踏切を渡って反対側ホームの出入り口利用をお願いします」と呼びかけている。 また、ホームには、仮設トイレを男女各1つずつ設置する。乗車券類の取扱いなどについては、決まり次第周知するという。
尾崎駅は、急行や特急サザンの停車駅となっており、今回の閉鎖に利用客らからは多くの心配の声があがっていた。近くに住む40代女性は「台風ですごい風が吹いている時に、黒煙がみえて駅と知った時は驚きました。駅の全焼は残念でしたけど、けが人がなくてよかったです」と話していた。