【速報試乗記】新型ランドクルーザー250は驚くほど快適だった! 実際の購入者が語った販売条件や転売対策などにも迫る
GXならではの世界
試乗会では、これまでメディアに披露された上級モデル以外に、エントリーモデルの「GX」が展示されていた。 価格は520万円で、最上級のZXより215万円も安い。ただし、エクステリアからはルーフレールの有無以外、大きな差はない。従来のプラドと異なり、グレード名をあらわすバッヂもなかった。 ドアを開けるとファブリックシートが目をひく。ほかの2グレードがレザーとなるのに対し、GXのみがファブリックだ。もしファブリックを望むならGXを選ぶしかないのだ。シート調整は運転席・助手席ともに手動である。定員は、ほかのグレードが3列シート・7人となるのに対し2列シート・5人。サードシートがない分、荷室は拡いから、荷物をたっぷり積み込んで、“道具”として使うには最適だ。 運転席に座ると、ステアリング表皮が本革ではなくウレタンであることに気づいた。メーターも7.0インチTFTカラーメーター+マルチインフォメーションディスプレイで、ディスプレイオーディオのサイズも8インチと小ぶり。ほかに気になったのはバックドアガラスハッチが備わらない点だろう。 とはいえ、パノラミックビューモニターやスマートエントリー(運転席・助手席・バックドア)&スタートシステム、左右独立温度コントロールフルオートエアコンといったひととおりの快適装備は備わるし、運転支援システム「Toyota Safety Sense」も搭載するから機能面での不満はあまりない。
ディーラーローン必須は転売対策
話は少し戻るが、冒頭に出てきたランドクルーザー・プラドに乗る友人は、運良く新型250シリーズを購入できた。 訊くと、担当者が購入枠を用意してくれていたという。ただし、長年その店舗で新車を購入していたわけではないし、何台も新車を購入したわけでもない。なんなら、今乗っているプラドは他店舗で購入した個体だ。トヨタの関係者によると、地域やディーラーによって商談状況はかなり異なるという。 購入したグレードはVXのディーゼル。ほかに選択肢はなかったそうで、このグレードを買う・買わないの2択だった。購入時の条件は2点で、ボディコーティングのディーラーオプションを付けることと。そして購入店でのオートローン利用だ。 後者は転売防止の観点からだそうで、1年間は所有権解除に応じない。なるほど、現行ランドクルーザー300発売時に転売が大問題となったゆえだろう。ちなみに金利は4.8%近いというから、なかなかの設定だ。 驚いたのは、現在乗っているランドクルーザー・プラドの下取りを保証する点。納期が判然としないための策で、納車されるまではいくら走行距離が伸びでも契約時の下取り額を保証するそうだ。 友人が購入した新型250シリーズのVXは、「トヨタチームメイト」などを含む運転支援関連のパッケージオプションとディスプレイオーディオ(コネクティッドナビ対応)Plus&JBLプレミアムサウンドシステムを追加した結果、総額約700万円になったという。 一方、下取りに出した先代のプラドは、約3年で6万5000km近く乗ったのにも関わらず360万円の下取り額がついたそうだ。ランドクルーザーシリーズのリセールバリュー、さすがである。 新型ランドクルーザー250シリーズは、購入できない人が大多数。この熱気、まだまだ続きそうだ。
文と編集・稲垣邦康(GQ) 写真・安井宏充(Weekend.)