フランス人の年末年始、日本人の忙しさとは大違い。掃除や年始の準備よりも「重要なこと」
大掃除、年賀状、おせち料理の準備など、昔ほどではないにせよ年を越す前にすることが多くて日本の師走はだれもが忙しそう。この同じ時季にフランスでは、日本とは少し違う過ごし方をするので驚いたと話すのは、フランス文化研究者で翻訳家のペレ信子さん。周りのフランス人の友達や家族との会話から見えてきた、フランス人の年末年始の過ごし方と年内にやることについてレポートしてくれました。 【写真】フランスのすてきなショーウィンドウ
12月の後半に大事なのは「パーティをすること」
忘年会にクリスマスパーティと日本でも人と集まるシチュエーションが多い12月ですが、フランスのこの季節の特徴も、とにかくパーティでたくさんの人と集まって食事をすることです。 クリスマスは日本では友達と集まることが多いのに対して、フランスでは日本のお正月と同じ位置づけで、家族や親戚が年に1回集まるにぎやかな時間です。 仲がよい友達と集まるのは12月31日のカウントダウンパーティ。除夜の鐘で静かに年を越す習慣があった私にとって、初めてフランスでカウントダウンパーティに行ったときは、大騒ぎが朝まで続きびっくりしました。 1月1日のフランスの静けさは、みんなが徹夜した後の静けさだと理解しました。
1月のソルド(セール)に備えてワードローブの確認と見直し
フランス人は多く服を持たず、自分に似合う服を厳選するというイメージは、すべてのフランス人には当てはまらなくても、おおむね正しいと思います。 それほどファッションに興味のない人でも服を買うことが多いのが年に2回のソルドの期間。フランスではソルドの期間は法律によって決められていて、それぞれの店が自由にセールのタイミングを決められません。 2025年冬のソルドは1月8日(水)午前8時から2月4日までと経済・財務省のページに記載されています(海外県、地方によって日程が違うところもあります)。かなりお得に買い物できるのでお気に入りのお店やサイトを事前にチェックして自分のワードローブ計画を立て、作戦を練っている友達も多いようです。
祝日は2日間だけ、ゆっくり本を読んで過ごすことも
じつはフランスでは、クリスマス期間に長く休暇を取る人というのは夏のバカンスに比べると少数派です。カレンダー上の祝日は12月25日と1月1日のみ。企業やお店によりますがカレンダー通りの営業をしているところも多い印象です。 それでもクリスマスから1月1日までは普段よりも仕事が少なめになります。この時季に普段読めなかった資料や本とじっくり向き合うと友達が言っていました。年内に大掃除をしなければという焦りもないし、温かな室内で読書して静かな時間を過ごす、と言うのが冬の楽しみなのだそうです。
フランスの「よいお年を」の挨拶は「楽しいパーティーを」
12月の後半はクリスマスとカウントダウンパーティが大きなイベント。1月1日は静かに過ごして2日から会社へという流れです。12月に「よいお年を」と日本人が言うタイミングでフランス人は「Bonnes fêtes de fin d’année!(年末のパーティや祭日を楽しんでね)」と言い合ってパーティシーズンを楽しみます。 みなさんも、「Bonnes fêtes de fin d’année!」
ペレ信子