大谷翔平の「シルバースラッガー賞」は打撃のベストナイン 名称の由来はバットメーカー
米大リーグ、ドジャースの大谷翔平は12日、各リーグの各ポジションで最も優秀な打者に贈られる「シルバースラッガー賞」を受賞した。一般的にシルバーといえば、ゴールドに次ぐ〝2番目〟の意味にとられるが、同賞は打撃の最優秀者に与えられるものだ。一方で守備の最優秀者には「ゴールドグラブ賞」として〝ゴールド〟を名称に冠した賞を与えている。なぜ、〝シルバー〟スラッガー賞と呼ばれるのか。 【写真】大谷翔平の妻・真美子さん、ロス暮らしでの“心の拠り所”となるのは「GLAY・TAKUROの妻」 ■ゴールドグラブ賞に対抗 シルバースラッガー賞は、ナショナル・リーグ(ナリーグ)とアメリカン・リーグ(ア・リーグ)の各リーグで、その年のシーズンで最も打撃に優れていた選手に授与され、〝打撃のベストナイン〟とも呼ばれる。1980年に米国のバットメーカー「ヒラリッチ&ブラズビー」社が表彰したのが始まりだ。 ただ、57年には米グラブメーカーのローリングス社が守備の優秀選手を表彰する賞として「ゴールドグラブ賞」をすでに創設しており、それと区別、対抗するために「シルバー」を冠したとされる。賞の名称はヒラリッチ&ブラズビー社のバットブランド「ルイビル・スラッガー」が由来となっている。 ■DH部門新設で大谷授賞へ 授賞対象は、原則として各ポジション1人ずつ、2リーグ計18人で、各球団の監督と3コーチが投票権を持ち、打率、出塁率、長打率など複数の打撃成績が考慮される。ナ・リーグは指名打者(DH)制が導入された2020年から「投手」に代わり「DH」が表彰されることになった。外野手は、ポジションに関係なく3人が選出される。 22年からは、複数のポジションをこなせる強打者を評価する「ユーティリティー選手部門」が新設され、同年には大谷がDH部門とユーティリティー選手部門の両方の候補に挙がった。また、23年からは打撃の最優秀チームを選ぶ「チーム部門」も創設された。 受賞者には副賞として、3インチ(約91センチ)の銀バットをデザインしたトロフィーが贈呈される。 歴代最多受賞は、バリー・ボンズ外野手(ジャイアンツなど)の12回。大谷はエンゼルス所属でア・リーグのDH部門で選ばれた昨季に続き、ナ・リーグのDH部門で受賞した。日本人選手ではイチローの3回が最多で、今回の大谷の受賞でイチローに並ぶ日本人最多タイの受賞となった。
ちなみに、19年には、投手部門で当時、ドジャースの前田健太(現タイガース)が候補に挙がったことがある。