<リベリア ~ パーム油と百姓一揆> 脚光を浴びる小国
朝靄のたちこめるなか、ひらけた土地に背の低い幼木が整然と並んでいる。農場に植えられたパーム椰子の木だ。 これから仕事に向かうのであろう労働者が二人、小雨の中、幼木のあいだの小道を歩いていった。 西アフリカに位置する、人口430万ほどの小国リベリア共和国。ここ数年来、リベリアはパーム椰子栽培の新天地として脚光をあびるようになった。西アフリカの気候は、パーム椰子栽培にはうってつけの高温多湿。加えて、14年ものあいだ続いた内戦がようやく2003年に集結すると、新政府は経済復興のために外国企業の進出を促す政策をうちだした。 そんな環境も追い風になって、パーム油を製造するいくつものグローバル企業がこの小国に進出してきたのだ。しかし近年、農場を拡大したい企業側と、長年その土地で暮らしてきた村人たちの間の軋轢が顕著になりだした。(2015年5月) (フォトジャーナリスト・高橋邦典)