「ぼっち」という言葉に過剰反応 社会から孤立…自暴自棄型の“ローンオフェンダー” 長野・中野市4人殺害事件1年
「社会に恨みをため込み…」
青木被告の犯行も「自暴自棄型」に分類されるとしている。 日本大学危機管理学部・福田充教授: 「自分自身はどうなってもいい。社会に恨みをどんどんため込んでしまう。自分が悪いのではなく社会、友達、家族が悪い。それに対してどうにかして復讐してやろうという気持ちの中で、過激化して自暴自棄になり、そして恨みを持ち起こした犯行だというふうに解釈することができる」
大学時代にいじめ…
なぜ、青木被告は社会的に孤立し「ぼっち」という言葉に敏感になったのだろうか? 中学校時代は野球部に所属していた被告。 友人もいてチームメートは「中心になるような人ではなかったが、普通のどこにでもいる中学生だった」と話している。 その後、県内の高校を卒業し、東京の大学に進学する。しかし、中退して地元に戻ってきた。 ブドウなどの農作物を育てていたが、近所付き合いはほとんどなかったという。 捜査関係者によると、被告は「大学時代にいじめに遭い人間関係が苦手になった」と話していたという。 被告の母親も「大学時代のいじめの経験から『ぼっち』という言葉に過剰に反応するところがあった」と警察に説明したということだ。 福田教授は、「孤立」を気にする人がローンオフェンダーになる直接的な因果関係はないとした上で次のように話す。
孤立する人が生まれない社会環境を
日本大学危機管理学部・福田充教授: 「ローンオフェンダーというもの自体が一人で行動して、一人で犯行を実行するという傾向があるので結果的に独りぼっちであり、そして孤立している人がローンオフェンダーになりやすいという傾向はあると思う」 ローンオフェンダーによる凶行を防ぐために、福田教授は孤立する人が生まれない社会環境を整えることが重要だと話す。 日本大学危機管理学部・福田充教授: 「コミュニティーがいま希薄化していることが問題になっているが、それは都市でも地方でも起こっている。社会、職場、地域から孤立する人をつくらないということが一番大事なテーマ」 (長野放送)
長野放送