リニアのトンネル掘削工事で岩石が作業員に… 作業手順を守らなかったことが原因
リニア中央新幹線のトンネル掘削工事が行われている岐阜県多治見市の大針工区(約5キロ)で7月、男性作業員に岩石が当たりケガをした事故を受け、県は16日、安全対策を検証する専門家会議を開催した。JR東海は1次下請けの現場作業員が作業手順を守っていなかったことを明らかにした。県は工事再開に向け、年内にも専門家の意見を取りまとめる方針だ。 事故は、作業員が巨大なトンネル掘削機「ドリルジャンボ」に付いている高所作業時に使うかご「マンケージ」に乗って移動中、掘削面の岩石が落下して重傷を負った。JR東海は、同工区の作業手順書にマンケージに乗る際に使うと記載されている頭部を守る器具(上部ガード)を作業員が使用せず、監視責任者も注意をしていなかったとした。 専門家からは、作業手順を順守する仕組みを徹底しない限り、「また同じようなことになる」と指摘があった。JR東海は、上部ガードの使用を徹底し、同工区では当面、掘削面付近での作業時に元請けの社員が立ち会うなどと説明した。