“勝って涙”の阿部未悠はクイック派 “負けて涙”の佐久間朱莉はゆったり派…自分のスイングテンポどうやって見つける?
阿部と佐久間で対照的なバックスイングのスピード
4月5~7日の期間、国内女子ツアー「富士フイルム・スタジオアリス女子オープン」が行われました。最終日最終組は、通算8アンダーで並んだ阿部未悠選手、佐久間朱莉選手、そして上田桃子選手の3人でした。終盤は、ともに初優勝がかかった阿部選手と佐久間選手のマッチプレーのような展開になりました。 【動画】ともに初V狙う阿部未悠と佐久間朱莉の緊迫した優勝争い これが実際のハイライト映像です
前半は、スタートホールでイーグルを奪った佐久間選手がリード。一方、阿部選手は11番の長いパットを沈めた“ナイスボギー”から流れをつかみます。続く12番でバーディーを奪ってバウンスバックすると、14番からの4連続バーディーなどで首位に浮上。8バーディー、1ボギーの「65」でプレーし、通算15アンダーで涙の初勝利を挙げました。 佐久間選手は、1イーグル、4バーディー、ノーボギーの「65」で通算アンダー。ボギーフリーのラウンドでしたが、惜しくも1打及ばずに単独2位でフィニッシュしました。 最終18番のグリーン上でこんなシーンがありました。阿部選手がウイニングパットを沈めた後、佐久間選手が最後の1打に臨む時のことです。悔し涙を必死に堪えているのが傍から見ても分かるような状態の中で、彼女は「左手で右ワキ腹辺りを触りながら右ワキを締め、左腕をダランと垂らしてからアドレスする」という自分のルーティンをしっかり守ってパーパットを沈めました。どんな状況でもしっかりと間合いをつくって1打に臨む。そんな佐久間選手の姿勢が印象的でした。 ホールアウト直後は、「(泣きそうで)ヤバかったですけど、最後は笑顔で未悠ちゃんを称えたかった」と、勝者の阿部選手と笑顔でハグ。スポーツマンシップを感じるシーンでした。また、勝つことの難しさや勝負の厳しさを誰よりも知る上田選手が、最後に佐久間選手をハグして背中を擦っていたシーンも感動的でした。 今大会では対照的な涙を流した阿部選手と佐久間選手ですが、実はスイングにも対照的な部分があります。それはバックスイングのスピードです。阿部選手は始動からトップまで一気にクラブを上げていくタイプ。一方の佐久間選手は、スロー動画を見ているようなスピード感で、ハーフウェイバックまでゆったりとクラブを上げていきます。