指針値超える有機フッ素化合物…熊本市が専門委で原因究明へ
熊本市は、河川などの複数の地点から国の指針値を超える有機フッ素化合物が検出されたことを受けて調査を実施し、このうち1地点について北区の産業廃棄物処理業者が発生源と発表しました。 熊本市の河川などから国の指針値を超えて検出された有機フッ素化合物PFOS・PFOAは、撥水剤や消火剤などにも使われる化学物質で、人の体内で分解されにくく、健康への影響が懸念されています。 国は2020年に、PFOS・PFOAあわせて1リットルあたり50ナノグラムとする暫定指針値を設定しています。 熊本市では、2022年度から河川などの水質調査にPFOS・PFOAを調べる項目を追加していて、2023年、井芹川で指針値を上回るPFOS・PFOAが確認され、重点的な調査を実施していました。 大西一史市長は6日に開いた会見で、今年11月に行った調査結果を示し、井芹川上流域の16地点のうち12地点で指針値を超えたことを明らかにしました。 このうち最も高い1リットルあたり600ナノグラムが検出された熊本市北区植木町の調査地点の約300メートルの距離には、産業廃棄物処理業者があり、この地点のPFOS・PFOAの発生源であるとしました。 熊本市は、この業者について、排水などを違法に出していたわけではなく、法令を遵守していたとしていて、今後協議しながら対策を考えていくとしています。 また、産業廃棄物処理業者が発生源だったことを受け、熊本市内すべての産業廃棄物処理業者の周辺で調査を実施し、ほかにも6つの業者から水が流れ出す地点でも指針値を上回りました。 熊本市は、2024年度中に専門家委員会を設置し、原因究明と対策の検討をすすめる方針です。 なお「水道水はすべて暫定目標値を下回り、安心して利用してほしい」としていて、現時点で健康被害や農作物への影響は確認されていないとしています。