センバツ2024 準決勝 星稜、能登へ元気送り 粘りのプレーに拍手 /石川
阪神甲子園球場(兵庫県西宮市)で開かれている第96回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)第10日の30日、星稜(石川)は準決勝で健大高崎(群馬)に4―5で逆転負けした。初の決勝進出はならなかったが、粘り強い戦いぶりで石川県勢として初めての4強入り。今年元日に発生した能登半島地震の被災地に元気を与えるプレーを繰り広げた選手たちに、観客席から惜しみない拍手が送られた。【山口敬人、中田博維、野原寛史】 【写真で見る歓喜の瞬間】歴代のセンバツ覇者たち 一塁側アルプス席に陣取った星稜応援団。団長で野球部員の中本悠雅さん(3年)が「勝負どころでしかたたかない。今大会は3試合でまだ2回だけ」と言っていた大太鼓を一回の攻撃を前に打ち鳴らす。 気迫のこもった応援に後押しされるように、序盤は星稜ペースだった。二回2死三塁から中島幹大(3年)がピッチャー強襲の先制適時打を放てば、三回には2死二塁から服部航(2年)が三塁線への安打で追加点を奪う。服部の父忠良さん(45)は「絶対やってくれると思っていた」とボルテージを上げた。 守っても初回の無死一、二塁、三回の無死一、三塁という相次ぐピンチを先発左腕の佐宗翼(3年)が無失点で切り抜けた。だが、四回に守りのミスもあり2点を失うと、3―2と1点リードで迎えた七回、4長短打を浴びて逆転された。 アルプス席には前日の29日に第15回全日本少年春季軟式野球大会を制した星稜中の面々も。「グラウンドの選手はあこがれの存在。自分たちと同じように優勝を」と話す小路瑛主主将(3年)の思いが通じたように七回に粘りを見せる。星稜中出身の服部が「ストレートを狙っていた。自分の打撃ができた」と適時二塁打を放ち“兄貴分”の意地を見せたが、あと一歩及ばなかった。 今大会、途中出場の1回戦から4試合で10打数6安打と大活躍した中島幹大は「石川県に優勝旗を持ち帰りたかった」と肩を落としたが、「チームも個人もレベルアップして、次は日本一を」と夏を見据えた。