中村倫也 初の料理本で再確認「仕事も家も円満の秘訣は“ゆるっと手放す力”」
■予定が狂っても「気にしない」 ── 確かに雑炊って「忙しくてご飯を作る時間がない!」というときも頼りになりますよね。でも、自分で立てた予定が家族の横槍や突発的な出来事のせいで狂ってしまうと、せっかく準備した食材がムダになったりしてイライラしてしまいがちです。そういうとき、中村さんはどう立て直しますか? 中村さん:気にしない。しょうがないと思って、もう1回構築し直す。仕事の現場でも予期せぬことが起こったり、想定以上に体力を使ったりすることがありますが、最終的に帳尻が合えばいいと思い直して、「今日1日」というスケールで段取りをつくり直します。
「今日やってもいいけど疲れるだろうから、これは明日にしよう」と思うこともよくありますよ。最終的に間に合えばいいんですから。段取りを意識することは大事にしていますが、それも“希望的観測”程度にとどめておく。がんじがらめにせずに、ゆるっと手放してますね。
■家事をしたら「ありがとう」と言ってくれる家族がいる尊さ ──「ゆるっと手放す」って、簡単そうでなかなか難しいことだと思います。どうしたら心のゆとりって生まれるんでしょう。
中村さん:自分の密かな楽しみとか、目的意識を持ってする趣味とかを、あえて時間を作ってすることで生まれるんじゃないでしょうか。そしてそのゆとりがあることで、いろんな悩みの根源的な解消につながる気がします。 僕は趣味もあるし、そもそもセリフを言っているとき以外は“素の自分”でいる感覚があるので、心にストレスを感じることってあまりないんです。 でも、心の充実感といえば、最近では家で家事をして感謝されたことでしょうか。それはひとりで暮らしていたときには得られなかった発見で。自分としては普段からやってきたことをしただけなんだけど、「やっておいてくれてありがとう」って。自分からアクションを起こすことで、周りから良い反応を得られて、またそれが前向きな気持ちに繋がることがあるんだってことも発見でした。と同時に感謝を言葉にしてくれる相手でよかったなって思いましたね。