家庭でも要注意!“塩素ガス”発生を防ぐポイントを解説「空気中で混ざってしまうことも」レモンやお酢でも反応?
中国放送
薬剤を混ぜることの危険についてお伝えします。 広島市中区のクリニックで2日、「気分不良者が複数いる。塩素のような匂いがする」と119番通報がありました。職員や患者など9人が、のどの痛みなどで入院しています。 【写真を見る】家庭でも要注意!“塩素ガス”発生を防ぐポイントを解説「空気中で混ざってしまうことも」レモンやお酢でも反応? クリニックで行っている透析治療は、腎臓の機能が低下した人を対象としていて、血液に含まれる毒素を人工的に取り除く作業です。 2日の事故は、透析装置の消毒に使う2種類の液体を補充する際、手順に誤りがあって次亜塩素酸ナトリウムと酢酸が混ざり、塩素系のガスが発生したとみられています。実は、塩素ガスは、家庭でも発生する危険が潜んでいます。 2種類の異なる洗剤を混ぜた実験映像です。塩素ガスは、目やのど・鼻の粘膜に刺激を感じ、吸ってしまうと、肺炎や肺水腫になる恐れもあります。さらに高い濃度では、数分以内に死亡するケースもあるということです。 まちの人に気をつけていることを聞きました。 30代 「『混ぜるな危険』と書いてある商品は一緒に使わないようにしているが、詳しくは分からない」 60代(清掃会社に勤務) 「危険な液体は、必ずラベルを貼って使用しなければいけない。塩素系は(リスクなど考え)使わないようにしている」 40代 「カビを取るとき、掃除用の洗浄剤で流してから、別で使う」 70代 「塩素系の洗剤でも、衣類用や台所用はよく見ると分かれている。食器を洗う時に、酢の物などは(塩素ガスが)発生するのかな」 では、塩素ガスの発生を防ぐには、どうすればいいのでしょうか。 広島県薬務課 岡田史恵課長 「次亜塩素酸ナトリウムは、蒸発して気化する。空気中で混ざってしまうことがあるので、ガスが発生する。使う時には、換気をしながら使うことが重要」 発生してしまったらその場を離れ、医療機関への早めの受診が必要だといいます。 洗剤は、原則、2種類以上混ぜたり、続けて使用したりはいけません。また、お酢とレモンを出すお酢やレモンなど酸の強い食品があると、次亜塩素酸ナトリウムと酸が空気中で混ざってしまい、ガスが発生しやすくなります。液体を拭いていたとしても危険です。
使う時に気をつけるポイントとしては、▽換気▽ゴム手袋やマスクの着用▽ペットボトルなどの容器の移し替えは危険です。特に炭酸系飲料のペットボトルは、酸性なので、飲み残しでも発生する可能性もあります。
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