小野田高総合文化部が最後の短編小説集 県内を舞台に27編【山陽小野田】
小野田高(山本徳子校長)の総合文化部・文芸読書の部員と卒業生の17人が、6冊目となる県内を舞台にした短編小説集「ずーっと 山口県ショートショート―これからも一緒に」を発行した。12市1町の観光名所や人気スポットをモチーフに、恋愛や家族、友情を描いた全27編から成っており、同校や山陽小野田市役所ロビー、中央2丁目の複合施設「Aスクエア」で配布している。 地域の魅力をPRできればと、2021年から続けている。初回からの3作は市内を舞台とし、23、24年の2作は山口市、宇部市など県内全域に物語の幅を広げた。 冊子は、県内の空港や観光交流センター、県の東京事務所と大阪事務所にも設置。徐々にファンを増やし、作品に対する感想や生徒への激励の言葉がつづられた手紙が県内外から届いている。 今作で地元が舞台となったのは、竜王山に飛来するアサギマダラの冒険、復活した銘菓「せめんだる」を囲んだ孫と祖父母のだんらん、常盤公園に設置されたロンギヌスの槍(やり)のレプリカを見に行く少年少女を描いた作品など。 3年の永井由利子さんは「登場する場所や物は、実際に観光地に足を運んで見た景色。製作に半年以上もかかった分、完成した冊子を見るとうれしかった」と話した。 過去作に携わった卒業生も添削などで協力を続けた。初作「山陽小野田市ショートショート」の製作時に部長を務め、現在は宇部市役所に勤務する松村里歩さん(22)は「等身大の青春を描く後輩たちに懐かしさを感じた。卒業後も母校の取り組みに携われてうれしい」と笑顔を見せた。 コロナ禍を機に始まった短編小説集の発行は、今作で区切りを付けるという。顧問の白石由美先生は「ファイナルにふさわしい出来栄えになった。毎回楽しみにし、手紙をくださった人たちに感謝の気持ちが伝われば。最後の作品もぜひ手に取ってもらいたい」と話した。 A5判の102㌻。配布場所には、直近の「おさんぽ」「LOVE」と合わせて各400部を置いている。 問い合わせは同校(電話83-2373)へ。