地元愛が生み出すコラボ 業種の垣根を飛び越えて 若手経営者たちが作るワクワクが商店街を元気に【福島】
福島テレビ
古い街並みや風情が京都に似ていることから「東北の小京都」と言われる福島県棚倉町。 棚倉町の人口は、1970年代と比べると約4000人減少し、商店街にはシャッターをおろす店も目立つようになった。そんな商店街を盛り上げようと、若手経営者たちが立ち上がった。 <商店街のうつろいを見つめる時計店> 時計やメガネの販売のほか、修理も手がける「和田時計店」は、この町の時の番人。4代目の和田浩志さんは、東京で仕事をしていた2011年、東日本大震災で傷つくふるさとを目の当たりにし、何か地元の力になりたいと家業を継ぐ決意を固めた。 高校卒業後にふるさとを離れて15年、町に戻った和田さんが気づいたのは失われた活気だった。「うちの商店街もお店がたくさんあって、僕の小さい頃から賑わっていたところだった。徐々に店舗が少なくなって、ちょっとさみしくなってきていた」と和田さんはいう。 <若手経営者たちが立ち上がる> 町を盛り上げるためには、自分たち商店街が立ち上がらなくてはと、呉服店や石材店など町の若手経営者でグループを立ち上げた。和田さんは「同じ商売人の若手で集まって話していたときに、単純に“このままではまずいよね”という危機感から、みんなで集まって新しいことをやろうと始まった」と話す。 グループ名は「棚倉」への「愛」を込めて「たなぐlove」。名前はノリでお酒の場で決まったというが、それぞれのメンバーが「商店街の再生」にかける思いは熱いものがある。 蕎麦店と豆腐店がコラボした「蕎麦豆冨」など、分野の垣根を超えたコラボ商品の開発や合同ECサイトの開設などの挑戦を進めている。 <コラボから生まれるワクワク> この日、話し合われていたのは和田時計店と呉服店の新たなコラボ。会津木綿をベルトに使った時計は、近く店頭とECサイトでの販売を計画している。 この他にも「たなぐlove」では、次々とアイデアが生まれている。和田さんは「棚倉でおもしろいことやっている若手経営者がいるのだというふうに認知してもらって、そこで“じゃあ今度行ってみよう”と町内の方も町外の方も思っていただけたら。少しでも地元を盛り上げて、前に進んでいきたい」と語る。 大切な店と仲間を守り続けたいという思い。昔も、そして今も、町への「愛」が棚倉の商店街を支えている。
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